感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
298
舞台配置や状況がわかりづらく、読むのに時間がかかった。衆人環視下の不可能犯罪を題材とし、何度も推理を積み上げては崩し、を繰り返す様は中毒性のあるものだが、容疑者たちが急にしょうもない嘘をつきだしたり、変なところで脈絡もなく前言を翻すことに、小説として説得力を持たせられていない印象を受け、イマイチすっと入ってこない。ラストの解決編も、どんでん返しというよりは、考えも纏まっていないのに、行き当たりばったりで犯人当てを始めてしまったように見える。トリックに見るべきところはあるが、好事家向けな一冊。2021/05/12
麦ちゃんの下僕
152
1949年発表の作品で『東西ミステリーベスト100』でもトップ30入りしている古典的名作♪︎ 素人演劇の本番中、11人の“騎士”と何千人もの観衆が見つめる中で、ハリボテの塔のバルコニーから“ジェゼベル”ことイゼベルが落下した!死因は絞殺…楽屋へ続く扉は施錠され見張り番もいたため、舞台上は完全な密室だった!!一体誰がどうやって本番中にイゼベルを殺したのか!?…終盤の二転三転する展開に興奮!トリックに驚愕そして戦慄😱!コックリル警部とチャールズワース警部の“ライバル関係”もユーモラスで、実に面白かったです!2022/05/19
Kircheis
102
★★★☆☆ クリスチアナ・ブランドの最高傑作に推す人も多い本作だが、個人的にはそこまではまらなかった。 複数の容疑者が集まり、次々と犯人かと匂わせつつ順に否定していくというパターンも、余りに続くとオオカミ少年状態になってしまった(´Д` ) その割に最後のオチは想定の範囲内だったのが悲しい。 もちろんおもしろかったけどね。 ブランドは短編の方が好きだな。2019/07/26
セウテス
77
コックリル警部シリーズ第4弾。〔再読〕大勢の観客が見つめる舞台上、悪女ジョゼベルが絞殺される。舞台には、仮面をかぶった騎士が11人。「緑は危険」より単純に謎解きを楽しめるが、ミスリードがあまりにも巧みすぎて、ため息が出るくらいです。たてられた推論が否定され、また新たな推論をたてるも又否定される。議論を尽くした正解らしい推理がダミーである、作り込まれた重厚感や見事な伏線の回収、これぞ本格です。その反面ハッキリと犯人特定が出来る謎が、堂々と明記されていて凄いとしか言えない、気付くかどうかは貴方次第である。2016/06/15
mii22.
52
【CNC-犯罪小説クラブ】なんと色々な要素がぎゅうぎゅう詰めにされたミステリなんだ!終盤の展開は思いもよらないものだった。大勢の観客を前にした舞台上で、悪女イゼベル(ジェゼベル)が絞殺され張りぼての塔の上から墜落する。舞台裏へ出る唯一の扉は錠がおり見張り番もいたという密室状態。舞台上にはイゼベルの他は顔も分からない鎧兜姿の馬に乗った騎士が11人。私の推理は当然かすりもしなかった。事件の検証、証言の真偽、終盤の謎解きは怒涛の展開だった。2016/05/21