ハヤカワ・ミステリ文庫<br> まるで天使のような

ハヤカワ・ミステリ文庫
まるで天使のような

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  • サイズ 文庫判/ページ数 399p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150722043
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

29
正直、評価しにくいほど、不安な本だと思います。この本を読んでいる時に有栖川有栖氏の「女王国の城」が脳内にこびりついて仕方なかったです。閉じた教団内、俗世と教団内での齟齬の浮かび上がり、教団関係者の歪さが始終、心に嫌なひっかき傷を残す様な不安感が常に漂います。ラストで明かされた真相は電車が目の前まで来ているのにホームで背中を押された様な衝撃に愕然とするしかなかったです。2013/05/01

けいちゃっぷ

11
依頼された人物を探すと5年前に亡くなっていた。 大雨で川に流された車は見つかったが、死体は見つかっていない。 なにがあったのか。 文字が半角分ずれて文字化けしてるような、ジグソーのピースが一つも置けないような気分。 でも菊地さんの訳のせいか楽しんで読みました。 ラストはもしかしてそう来るのかと、ドキドキしながら読了。 不思議な読後感でした。 399ページ 2012/05/25

NICK6

8
素晴らしい。貧窮陥った元探偵が借りあるカルト信者(宗教自体はうさんくさく感じてても)に親近感感じる辺り、そして彼女に依頼受けての当初の関心の薄さが、すっかり探偵稼業(十分な能力発揮。関係者ヒアリング見事!)にのめり込んでいく自然な流れ、さらには、事件と関連者全員の数奇と、縦横ピタリと整合する犯行時系列の巧妙!。全く、うまい!読み込むほどに何度も感心しつつ夢中に先を急いだ。やっぱり宗教は上層部は醜悪で末端ほど純粋だ。亡者の言動が宗教的修辞に満ち満ちて終幕になだれ込む、強烈な追跡の二重奏。サスペンスが凄い 2023/06/10

きりぱい

7
寝転んで読んでいて、は?ええっ!?と飛び起きるほどラストに驚いた。ぞわわ~。同じ町で起こった事故と別の横領事件。それらをたぐり寄せた宗教団体の女性からの依頼と、つながりがありそうなのに全然見えてこない展開にいつまでも張り詰めたものがあって、はあ~、何でそこに考えが至らなかったんだろう。序盤は、接触しないで調べてと言われたのに接触しまくるってどうなんだと思ったけれど、この探偵クインがなかなか悪くない。悪くないけれどそれを守っていたらどう変わっていたことか。女性たちの感情が表れてきただけに、そんな、な余韻。2013/12/06

ネムル

6
なんとなく真相を先読みしつつもラストの驚愕を免れ得ないのは、ぶった切るような末尾の文章の鮮やかさ、厭さ。この厭過ぎる読み心地とサプライズからロスマクと比較するのは当然だろうけど、世界全体のファンタスティックな様相からポール・オースターを思う人も少なくないんじゃなかろうか。探偵の名がクインだし2013/03/26

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