内容説明
大腿骨はトラブルのもと?何の因果か天才的泥棒ドートマンダーは、ある国から隣の国が所有している聖少女の骨を奪ってくれと頼まれた。それはどうも国にとって重要な物だと知り、ドートマンダーは泥棒仲間と共にいざ出陣。だけども失敗、これはまずいと逃げだしたが…哀れ投獄された不運なドートマンダーと骨の運命は?骨の髄まで泥棒気質のヒーローが骨折って大奮闘!骨身にしみる面白さ、爆笑度1000%の会心作。
著者等紹介
ウェストレイク,ドナルド・E.[ウェストレイク,ドナルドE.][Westlake,Donald E.]
1933年ブルックリン生まれ。『やとわれた男』などのハードボイルドから『我輩はカモである』などのユーモアものまで、様々な作風を持つことで知られる。そのほかリチャード・スターク名義やタッカー・コウ名義で数多くの作品を発表している。アメリカ探偵作家クラブ賞を4度受賞
木村仁良[キムラジロウ]
作家、翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
82
【ドナルド・E・ウェストレイク誕生日読書会’20】冒頭からくっだらなさ(褒めてます)の炸裂と連鎖。洒落た会話と、どうでもいい注釈、若干のメタっぽさをオフビートの波に乗せて読み手を巻き込んでいく。本作は今まで読んだ中でも、延々と、最っ高にくっだらなくて(褒めてます)笑いっぱなしで読了。これこれ、これがドートマンダーシリーズ♪ 駄洒落にグリクの訛りと翻訳もお見事。大変だっただろうなあ。シリーズを飛び飛びで読んじゃってるけど、もういいや。とにかくまだ未読が残ってて幸せ。2020/07/09
文庫フリーク@灯れ松明の火
75
{ウェストレイク誕生日読書会・イベント開催期間遅刻感想}プロローグの盗んだ冷凍魚満載のトラックが、エピローグで繋がるとは。初のウェストレイク作品『泥棒が1ダース』で、ドートマンダーを『グイン』のイシュトになぞらえ{災難を招く男」と評したのですが、彼を貶め、敵対する者にとっては「悪夢以上の災厄・破滅を招く男」なのですね。国連加入の鍵となる聖人の骨を巡るコン・ゲームの敗者、フラデツ大使の哀れさと来たら(爆)可能なら、一緒のベットに眠るゾルン博士に気づくことなく、永遠の眠りにつきたかったことでしょう(笑)2014/07/15
harass
72
未読のを見つけ借りる。犯罪プランナーが主人公のシリーズの一冊。クライムコメディ。架空の二つの小国が国連に承認されるには聖人の骨が不可欠で、それを盗み出す依頼を受けた主人公たち。いつものように思いがけない展開と癖のある人物たちに驚く。安心して楽しめる作風であるが、500ページ超えの厚さと本に集中できない状況があり、乗り切れないままに読書を終えてしまった。著者の生誕イベント参加の作品であったが、やや不本意な読書で反省。2018/07/14
Panzer Leader
33
今回は国連加入を目指す敵対する東欧の二ヵ国とその鍵となる聖骨を巡る陰謀に巻き込まれたドートマンダー達。いつもの通り計画は完璧なのに疫病神アンディーのドジから敵の手に堕ちてしまったドードーマンダー。果してどんな反撃の妙案を考え出すのか。相変わらずのドタバタぶりで思いっきり笑わせてくれます。オールスターのように揃ったドードマンダーの仲間たちの描き方も秀逸ながら、初登場の脇役たちも面白おかしく語られ、ラストまで全く飽きずに読み切れた。2017/05/22
ネコベス
32
タイニーのいとこの依頼で新興国の国連加盟の為に重要となる隣国が所有する聖少女の骨を盗む仕事を引き受けたドートマンダー。係留された廃船を利用した大使館に忍び込み骨は無事盗めたものの、ドートマンダーは捕まってしまう。逃げ遅れコケにされたドートマンダーが意地を見せ、仲間を集めて大掛かりな仕事に取り掛かる。見事にハメられたクラロフツは気の毒。毎度ながらケルプのドジが楽しい。2020/10/26