感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
5
本作はラビシリーズとしては3作目だが私には「金曜日」についで2作目である。本作は出来としては今ひとつ。米国の小ユダヤ人社会の例としてそれなりに楽しめるのだが犯罪はやや小振りな物で、それも小説半分を過ぎて漸く発生する。それまで専ら信徒間の権力争いの話題。その間ラビは律法学者の見識の片鱗は示すが第一作で見られたタルムードからの類推に基づく見事な法判断の提示はない。事件が起きてからもアームチェア探偵の腕前発揮は殆どない。ユダヤ教に関心がある読み手だからついていけるが、普通の推理好きにはきつい作ではなかったか。2020/07/05
ちり
2
“「あなた方は聖者に憧れます。われわれは人間的な水準で満足します。もちろん」と、ラビは付け加えた。「それは、われわれが熱意や願望に欠けているからではありません。われわれはむしろ、人間的水準以上のものに憧れれば、それ以下に落ちる重大な危険があると信じるからです」”2019/04/21
Zen-zen
1
ほとんど最後の十数頁まで犯人の予想がつかない、というか相も変わらずのケメルマンの犯人隠しの巧みさに酔う。なかなか殺人事件は起きないが、バーナードクロッシングのユダヤ人社会の騒動も面白いので退屈することはない。ただ、前二作と翻訳の文体が異なる(とりわけラニガン署長とラビの会話)ので、関係性が違うように感じられ、若干の違和感があるのが残念。とはいえ“ラビ・スモール”シリーズは読んでて本当に楽しい。2013/09/05
rek.
0
読んだのはハヤカワ・ポケット・ミステリ版
かんり
0
3.5/52023/10/18