ハヤカワ・ミステリ文庫<br> ちがった空

ハヤカワ・ミステリ文庫
ちがった空

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  • サイズ 文庫判/ページ数 378p
  • 商品コード 9784150710538
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ざるこ

44
ダコタ機、ピアッジオ機をググり、インドの分裂をWikipediaで調べながら読む。「よろず万端どこへでも」ダコタ機を飛ばす運び屋ジャック。消えたお宝を探すナワーブ殿下の登場。 以後の騒動を予感させるアテネでのジャックの夢想の一幕で、もしかして主人公ちょい悪?どころか読み進めるほどに悪党なのか?と。お約束のような美女との駆け引き、パイロット仲間との友情、お宝を巡る殺人事件など飽きさせない。前線の中を操縦する場面は臨場感があってドキドキ。結局いい奴なのかは難しいラストだけど飛行機愛はビシバシ伝わってきます。2020/08/19

Shintaro

23
読友の勧めで、二十数年ぶりに読みたかったのを思い出した、ギャビン・ライアルのデビュー作。荒削りではあるが、のっけから引き込まれる。全編を貫くのは、ダコタ愛(ダグラスDC-3)である。そういえば、宝探しの話といえば必ずといってもいいほどダコタが出てくる。そして主人公ジャックはブッシュパイロット精神に溢れる名だたるダコタ使い、女性に対してはまさにハードボイルドだ。予備タンクも熟知しているということは、さてはライアル、RAFでダコタに乗っていたな。最後まで運命はわからない。幸運の女神は誰に微笑むか。傑作だった。2015/06/15

鐵太郎

20
ギャビン・ライアルの処女作です。プロフェッショナルでストイックな、見果てぬ夢を追う挫折した男たち。出会いと陰謀。一癖ありそうな依頼者と、謎解き。解答。冒険小説作家ギャビン・ライアルをそうあらしめたもの、すべてがこの一作に詰まっています。シビアな、気恥ずかしいが口にしてみたいセリフも目白押し。坂井三郎さんにそんなことがあり得るのかと尋ねたというピアッジオの着陸シーンから始まり、一流の技能とはこういうものだ、夢を追う男とはこういうものだという衝撃を与えてくれた傑作でした。いいね、ライアル節。2005/02/27

Kajitt22

19
『夜間飛行』『人間の大地』と読んだら、大空飛翔願望が現れ本棚の奥から引っ張り出して再読。サン・テクジュペリの端整で美しい文章と比べるとやくざな文体、荒っぽい展開ながら、冒頭の、優雅な機体を持つピアッジオ166の華麗な着陸シーンから、物語に魅了された。今ではyoutubeでピアッジオやダコタの機体が動画で確認でき、グーグルマップと相まって読書が3Dになったようだ。もう少し飛翔していたい気がしている。2016/06/01

シャル

14
腕利きの飛行気乗りでありながらしがない輸送業に身をおいているジャックの元に転がり込んできた、失踪したかつての戦友にして親友と、失われた宝石を巡る様々な出来事。物語の筋道は裏切りあり、友情あり、ロマンスあり、陰謀あり、気象の危機ありと典型的な航空冒険小説だが、その中で目を引くのは主人公の地に足の付いたリアリストぶりだろう。壮大な夢を見ることも無く、夢のような大金よりも使える地に足ついた金を求め、一夜の夢よりも明日の生活を考える。それでも、人情とプライドが彼をヒーローたらしめている、静かな男の物語。2013/04/10

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