感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコベス
29
エラリイ・クイーンが選りすぐった20作の中短編を収めたアンソロジー。強盗に車ごと誘拐された男の焦燥を描くジョン・D・マクドナルド「罠に落ちた男」、復讐を遂げに銃を持って来訪した女がバーに居座るサスペンスフルな短篇リチャード・レイモン「ジョーに復讐を」、殺人犯の裁判で無罪判決を勝ち取った弁護士を待ち受ける罠がスリリングなジャック・P・ネルソン「イタチ」、金庫破りが陥ったジレンマをユーモラスに描いたロバート・L・フィッシュ「秘密のカバン」が良かった。2021/04/30
Tetchy
19
エラリイ・クイーンが選出したEQMM誌収録の短編集だからといって必ずしもトリックやロジックが横溢した短編とは限らない。いやむしろ本格推理物を期待しない方がいいだろう。しかしこれこそがクイーンが選者として名伯楽であることの証左のように思えてならない。本書にはクイーンが新しい形のミステリを模索し、その可能性を見出した作品が選ばれているように感じる。そのせいかミステリとしてはまだ粗削りであり、正直出来が良いとは思えない作品もある。しかしここには現代に繋がるミステリの原型とも思える作品が揃っているように思えた。2013/08/14
tomo6980
2
アンソロジーは玉石混交が基本で、読んでいてつらい作品もあるのだが、後から数えてみると半数の10編は楽しんだわけで。ベストは既読の「ロレーヌの十字架」。などというとお里が知れる。それにしてもエドガー・ウォレス(クイーンお得意の発掘物か?)とパトリシア・ハイスミスが並んでいるのはすごいね。2023/11/13
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
1
☆×4.5…中には残念ながらミステリーというには?という作品があります。でも面白くないわけではないのでよしといたしましょう。個人的には黒後家蜘蛛の会とそのパロディ(!)の作品がなかなか面白く感じました。2010/06/15