内容説明
ミステリの女王クリスティーが世を去って、四半世紀。研究者の間では、新聞や雑誌に掲載されたきり埋もれてしまった、幻の作品の存在が囁かれていた。ファンにとっては垂涎の的と言えるその作品群を発掘したのが本書である。イギリス北西部に浮かぶマン島という小さな島が観光促進を狙って企画した宝探しの懸賞小説である表題作をはじめ、ポアロやクィンの謎解きミステリ、心理サスペンスなどバラエティーに富んだ全十篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばう
62
今朝、読友さんのレビューを読んで急にクィン氏最後の事件が読みたくなり引っ張り出してきた。なので今回は巻末の『クィン氏のティー・セット』のみ読了。20年以上前に読んだ本なので殆ど内容を忘れていて新鮮な気持ちで再読できました。脳の老化を嘆いたり、逆にまた楽しめたから良かったと思ったり😆やっぱりクリスティは良いなぁ。大好きなクィン氏の話をもう一度全部読みたくなりました。2023/08/22
cinnamon
7
短編集。表題の「マン島の黄金」はマン島への観光誘致宝探しイベント用に書かれた作品。小説の中に宝探しのヒントが隠されています。他、失踪前に書いた作品「崖っぷち」なども収録。ミステリーではないクリスティも詰まった一冊です。2016/02/14
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
6
☆×4.0…この作品は全部が全部ミステリーではないです。中にはホラーテイストのものやロマンスものまでまぎれていますので。お勧めはやはり表題作ですね。女子にしては珍しいお宝探しものなのであります。しかも殺人事件付きです。殺人事件部分はあまり子ってはいませんけどね…それとさらにうれしかったのは、大好きなクィン氏が出ていたことですね。彼は直接は解決はしないものの、ある重大ヒントを与えてくれていますので。最後の演出はニクイですな、クィン氏。2010/10/22
もっち
2
結末の「辿り着いた」感がすばらしい『夢の家』、三角関係もので一番納得できる後味の悪さの『光が消えぬかぎり』、老サタースウェイトの訥々とした物思いが妙に沁みる『クィン氏のティー・セット』が好き ポアロとヘイスティングズはやっぱり長編の方がいいと思う2015/11/16