感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゅんさん
33
面白かったー。ところどころ難しくてわからない所もあったけど、それでも面白く読めました。偶然ってのはそれなりの理由がある。一見きわめて起こりそうもないことも“ありえなさの原理”を知った今、もう惑わされないぞ。2019/02/02
猫丸
14
「人間の精神はアストラル体を伝導する波動ですから、善の心つまり伝導率の高い波動は容易に第3の目を溢れ出してオーラとして発光します。敏感な方だと、この波動の熱も感知しますから、…」とかね。テキトーに作文してみたが、安いスピリチュアルってこんな感じでしょ? 簡単すぎてつまんない。希少事象に過度の意味を読み込む、あるいは大きさ自体を見誤るのは、誰もがもつ認知バイアスだ。そこで確率の勉強をしましょうよ。こっちの方が面白いよ。条件付確率を突破してモンティーホール問題を理解したあたりから俄然エキサイティングですよ。2018/12/21
胆石の騒めき
12
(★★★★☆)「嘘には3つの種類がある。嘘と、真っ赤な嘘、そして統計だ」という言葉を思い出す。「統計的に…」といわれると、何となく黙ってしまうけど、統計は使い方次第。この本は、事象を正しく理解するのに役に立つと思う。ただ、周りで「信じられない、奇跡だっ!」と言ってることにいちいち、「それは超大数の法則で説明できるし、選択バイアスもかかっているうえに、似たような事象を一つにまとめているから、全く不思議でもないよ」とか答えていると、統計学的に有意に嫌われると思う。「harking」と「発表バイアス」には注意。2018/02/01
donut
9
なぜ起こりそうにない現象が頻繁に起こる(ように思える)のか?著者が「ありえなさの原理」と名付けるいくつかの法則(極めて低確率の事象も試行回数が極めて多ければ起こり得る等)や人間の操作・解釈(一致の条件を緩めることで偶然の一致を起こりやすくする、ランダムな結果に後から意味を見出す等)、その他種々のバイアスによってその理由を説明できるといった内容。カオス理論と不確定性原理におけるランダムさの違いの話や人間原理の話など、難しいが面白かった。ロト6はクイックピックで選ぶようにします。2020/04/23
読書熊
7
あり得ないことが起きた!と大騒ぎするケースが、実は人間の認知的錯誤による思い込みであることを確率論の見地から実証していく本。あり得ないことも確率上必ず起こること、超大数試行するとあり得ないことも実は割とあり得ること、近いケースを同じと認知して実は分子を増やしていることなど、ありがちな錯誤を理解できます。2019/08/14