ハヤカワ文庫
物理と数学の不思議な関係―遠くて近い二つの「科学」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 500p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150502959
  • NDC分類 421.5
  • Cコード C0141

内容説明

あくまで自然現象が研究対象の物理と、抽象世界に遊ぶ数学とは、似て非なる学問。しかし、斬新な物理理論構築の決め手になるのは往々にして、物理学のためどころか、現実に役立てることさえ念頭になく、100年も前に作られていた数学の成果だったりする。なぜそうやって、いつもうまくいくのか?思いがけない結びつきをはらんだ豊富な実例を眺めるうちに数理的な考え方の極意が見えてくる稀有な1冊。

目次

数学 宇宙の姿を映す鏡―物理と数学の不思議な関係
自然は隙間を嫌うか―アリストテレスからガラスの構造まで
時空を支配する幾何学の正体―ユークリッドから一般相対性理論まで
実用主義の絶大な威力―弦の爪弾きから固体中の電子まで
a×bがb×aでなくなるとき―整数から四元数まで…
準周期的という絶妙な配列パターン―タイル張りから準結晶まで
方程式は単純、解は複雑―ニュートンから量子カオスまで
絶対役に立ちそうもない理論の効用―ガロアからスーパーストリングまで
ミクロとマクロをつなぐ架け橋―コイン投げからエントロピーまで
イボイノシシの赤ん坊は二重らせんの夢を見るか―ケーニヒスベルクの橋からポリマーまで
幾何学は自然を模倣できるか―放物線からフラクトンまで
一点における速度の深遠な意味―ゼノンからシュレーディンガーまで

著者等紹介

ラインズ,マルコム・E.[ラインズ,マルコムE.][Lines,Malcolm E.]
1936年、イギリスのバンベリー生まれ。オックスフォード大学に学び、理論物理学で博士号を取得、同大学マグダレン・カレッジの特別研究員を経て1966年に渡米、ベル研究所の物理学研究員となる。固体物理学の分野で論文多数

青木薫[アオキカオル]
1956年生、京都大学理学部卒業、同大学院修了。理学博士。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

inami

33
◉読書 ★3 好きな分野ですが、内容は自分の頭ではついていけないレベルでした(表層的部分のみの理解 笑)。第1章「数学ー宇宙の姿を映す鏡(物理と数学の不思議な関係)」〜・・〜第12章「一点における速度の深遠な意味(ゼノンからシュレディンガーまで)」と目次の章のタイトルは興味を惹くものばかり。また多くの著名な物理学者・数学者・哲学者が写真や肖像画とともに登場するので眺めていて楽しいのですが(笑)。解説に「物理学は数学の言葉で語られる」とあった。そこで「宇宙は原子ではなく物語でできている」を思い出した。2021/09/30

やいっち

22
昔、単行本で読んだはずだけど、好きなテーマの本なので、改めて手にした。  そういえば、つい先日読んだ、マーカス・デュ・ソートイ著の『知の果てへの旅』(冨永星/訳 新潮クレスト・ブックス)も同じテーマを数学者の立場で扱っていた。ソートイの本は、数式も少なく一般の平均的な読者も付いていきやすい。  一方、マルコム・E.ラインズの本は、数式に弱い吾輩にはクラクラする記述も多い。というか、ほとんど右の耳から左の耳を通過することもしばしば。  2018/07/20

okkb combine

8
分野が広く理解ができない箇所あり。ただ読んでみてもう一度再読したいと思います。2018/06/29

roughfractus02

7
自らの業績を数学という「巨人たちの肩に乗った」と評し、数学と物理学の関係を示したニュートンの言葉を原題とする本書は、1800年間疑われずにきた空間充填、フーリエ変換の物理学への急速な応用、交換法則が不成立のハミルトンの四元数が生まれる過程、ペンローズの準周期パターンとフィボナッチ、群論の物理学への効用、確率と熱力学と量子力学、トポロジーのポリマーや遺伝子学への応用、量子レベルの幾何学、無限小概念の逆説の量子力学での再発見等を、歴史エピソードと数式で辿る。固体物理学者の著者だが役立つ数学の側面が理解できる。2017/12/20

やす

6
物理と数学の関わりについて種々の例を解説しつつ、物理の教科書には出てこないようなエピソードを交えて、20世紀物理学を概観する本。副読本によいのでは。自分としては物質の世界を数学である程度きっちり表せる理由が知りたいのだけれど、それには向いていない。確かなことしか述べないことにしているようだ。各章はある分野の簡単な解説から始まり、惜しげもなく数式を使い、そうして教科書には載っていないようなエピソードを紹介し始めるという12章構成。こうした物理を初めて学ぶときに一緒に読むと面白いんじゃないだろうか。2011/10/29

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