ハヤカワ文庫
道具づくし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150502478
  • NDC分類 383.04
  • Cコード C0195

内容説明

気詰まりな対面の座を和ませるため傍らに置いた「おいとけさま」、平安時代に流行した口中遊具「したすさび」、痒いところを掻く快感を味わうための手具「はだなだめ」…いまは忘れられてしまった、不可解だけれども蠱惑的な古民具の数々を紹介しながら、現代人が失った「道具」と「もの」との豊饒なる関係を甦らせる。別役流超民俗学の集大成。『虫』『もののけ』に続く、「づくし」シリーズ幻の傑作、待望の文庫化です。

目次

おいとけさま
くちおし
ゆこい
みがきおび
たんげ
とぜんそう
しだりを
ほぞ
はなじごく
かねたたき〔ほか〕

著者等紹介

別役実[ベツヤクミノル]
1937年旧満州生まれ。早稲田大学政経学部中退。劇作家、エッセイスト。68年、『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で岸田戯曲賞受賞。71年、『街と飛行船』『不思議の国のアリス』で紀伊国屋演劇賞受賞。88年、『ジョバンニの父への旅』で芸術選奨文部大臣賞、『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』で読売文学賞受賞。97年、劇作100本を達成する。戯曲や童話の他に、生物学の常識を覆す奇書『虫づくし』、日本古来、および現代の妖怪の生態を解説した『もののけづくし』(ともにハヤカワ文庫)、『けものづくし』『鳥づくし』『魚づくし』等、著書多数。犯罪、医学の分野でも独創的な論考を発表しており、その関心は森羅万象におよぶ
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

123
別役実さんというと劇作家のイメージが強くこのような随筆三部作を書いているとは思ってもいませんでした。「道具づくし」とあるように、昔の道具についてその起源などを詳しく説明してくれています。「じたんだ」がこんにゃくと同じということを初めて知りました。また「くちおし」が江戸時代に使われていた道具とは知りませんでした。2015/12/30

まじゅ

33
ハヤカワノンフィクションの本。高名な民俗学者も知り得なかった現代人が忘れ去った道具の数々。おいとけさま、はなじごく、したすさび等々。当時流行したとされる川柳を交えながらテンポよく読ませる。ところどころにそれらしい挿絵も掲載。不可解極まりないが、昔の人ならさもありなんと一瞬思わせる所が巧妙。上手に騙されて抱腹絶倒したもん勝ち(笑2012/09/12

米川青馬

4
読了。たとえば「うどんげ」というものがある。「うどんに生える毛のことである。」この始まりで、4ページ面白く読ませるのである。途中、「ばかばかしい」などと決して言わせないのである。むしろ、この「うどんげ」の形状と感触を人の頭の中にはっきりと形作るのである。控えめに言って、著者はどうかしているのである。さらに問題は、「はし」などが登場するところにある。「はし」は当然、「食事用具としてのそれ」である。何の変哲もない「はし」である。「うどんげ」と「はし」が同列に並ぶに至って、いよいよ我々は煙に巻かれるのである。2012/10/02

いきもの

3
かつて存在したと主張される知られざる道具の数々を民俗学的に考察した一冊。ユーモラスな語り口でニヤリとされる部分が多々ある。しかし性風俗に関する道具が多いような気がするのは民俗学にそういう一面があるからなのか著者の趣味なのか。それにしても最初は騙されかけた。2014/06/16

みーすけ

3
(借)だまされた~。パラリと見て民俗学的な本だと思い込んで借りたら、予想外の中身でした。さもありなんな解説にもしかして本当に・・・?なんて錯覚をおこしそうです。2012/05/21

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