内容説明
出産、予防接種、アトピー、花粉症、がん、エイズ―生まれてから死ぬまで、人生すべての場面に「免疫」は登場する。遺伝子治療や臓器移植といった最新医療も、「免疫」抜きには考えられない。そんな「免疫」の驚くべき仕組みを、予備知識なしでわかるように解説したのが本書。現代生物学で最も注目される「免疫」をキーワードに、生命の営みを根底から支える超システムについて、ミクロの世界をあれこれ探険した４０話。
目次
遺伝子治療―人間の手で免疫系をつくる試み
骨髄移植―「魔法の細胞」を識別して増やす
インフルエンザー免疫細胞は体内でどのようにはたらいているのか
複雑化―進化の過程を残す一兆個の細胞
晴天と虫垂炎―気圧と好中球の意外な関係
出産（胎児は「異物」か；習慣性流産のメカニズム）
母乳―粉ミルクにはない数々の長所
精神的ストレス―「病は気から」は本当か
予防接種（天然痘ウイルスと人類の戦い；ワクチンはどのようにウイルスを撃退するか；撲滅された天然痘ウイルスのゆくえ）
エイズ（発症のカギを握るヘルパーＴ細胞；長期未発症者の遺伝子を手がかりに）〔ほか〕
