感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
12
タイトル通り絶滅した動物たちの話。ただ自然に絶滅したのではなく人間が関与することで絶滅させた或いは絶滅を速めた動物たちの話であり、近くはつい数十年前に絶滅させた動物たちも取り上げ垂れている。絶滅(Extinction)と根絶(Extermination)の違いにも言及されるが、人の能動性のある根絶とはなんと非道な行為であることか。最終章は人の関与により絶滅から免れた動物も紹介されホッとする。文庫本ゆえか写真、図が全くないのが残念。2016/12/03
がんぞ
7
’60年までのアメリカSF界にはユダヤ人が多い。同じくユダヤ人のアシモフほどでないが、博物学に造詣深いシルヴァーバーグはノンフィクションを一時期連作した。20世紀の切実なテーマとして「動物と人とどちらが大事」という問いを提起。具体的には、密猟には「死刑」以外では、逮捕がマレである以上「やり得」となってしまう。野生動物保護のため、人命を「見せしめ」に奪うのは許されることか?こうしているうちにも絶滅する種は多数…。なおその後、火災で蔵書の大半を焼失し「元手要らず」で書けるSFに復帰した、後世に残るのはどちら?2013/05/29
荒野の狼
5
近現代になって絶滅した動物を中心に、サイエンスフィクションでしられるアメリカの作家が書いた12章からなる本。各章は独立しており、一章にほぼ一つの動物の絶滅の過程が詳しく書かれているので、興味のある動物から読めば良い構成(第1章は総論的な内容なので、他の章を読んで絶滅動物の名前を覚えてからでないと、理解は困難)。動物の説明は勿論、絶滅させてしまった人間側の愚かさも描かれ、小説のように読みやすく、自然保護の意味も考えさせる良書。動物の生物学的分類や名前の由来なども丁寧に書かれ、学術的に信頼できる。2013/01/17
tsuneki526
3
もう20年以上も昔に読んだのだが、あれからも、そしてこれからも地上から消えていく動物たちがいることに愕然とする1990/05/27
fest@蔵書整理中
3
つい整理中に読んでしまった。不謹慎ながら、リョコウバトの章を読むと、リョコウバトが本当においしいのか食べたくなる。2014/10/14