ハヤカワ文庫<br> 生命と非生命のあいだ

ハヤカワ文庫
生命と非生命のあいだ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 428p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150500245
  • NDC分類 461.1
  • Cコード C0100

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

108
シリーズの第4巻。内容を"生命""非生命""他生命""未来の生活""SFについて"の5部構成で編まれている。生命と非生命の間を化学で観ると、境界線は曖昧で明確に区別することができない。生命は有機化合物が複雑に絡み合って構成されているが、さらに分解すると無機化合物となり、単体ではおよそ生命(地球型生命)は炭素に還元されてしまう。では逆に無機化合物(非生命)から化合し有機化合物へ、さらに生命を創り出すことが可能なのかと問えば、答えは現時点において"ノー!"である(アニメのような「錬金術」あれば別だが――)。 2017/02/10

鐵太郎

17
アシモフの科学エッセイ<4>。第一部は生命についての論。第二部は非生命、つまり生命ではない物質と宇宙についての論。第三部は地球生命ではない生命形態について。第四部は未来の生活の予想。第五部は当時揺籃期だったSFというものが、科学を啓蒙するツールとなり得るという確信論。アシモフは1960年代というこの時代を見回し、そこはかとない自信を持って未来への希望を謳い上げ、無学と野蛮への軽蔑を見せます。この時代、こんな事を迂闊に広言すれば袋だたきに遭うこともあったのかも。ちょっと狭量なところはあるけど、素敵。2020/09/11

roughfractus02

10
意識が作る線形的時間も平面的世界も技術によって突然作られた。技術開発のベースには世界の非線形性を助長する科学的発見がある。1960年代に書かれた本書は、非物質とされた精神が生化学的物質で制御可能なら、物質から精神も作れるという考えが生まれた逸話に始まる。分解不能な水素が分解可能とわかれば、自然にある元素以外に技術で新たな元素を作り、人工ルビーの発するレーザー開発から世界のホログラム化へと向かう。一方、技術は地球生命と異なる構成の生命の可能性を考える未来も開く。SFはそんな現実の非線形性を扱うと著者はいう。2023/08/21

赤い熊熊

5
アジモフの科学エッセイ。生物学と地球外生物と宇宙旅行などなどについて。地球外生物についてのアジモフの考えになるほどと思わされました。しかし訳はちょっと不味く、せめてマイルや華氏温度目盛ぐらいはメートル法表記に直して欲しいものです。2015/07/07

u17

5
生命と非生命の境界線を論じる生物学の本だと思って手に取ったが、それは第一部だけで、いつの間にか天体の話に発展し、そしてなぜやらSFについての話にも及んでいた。内容満載でお腹一杯。叙述がユーモラスで良い。第四部でいやいやながらも未来に対する予測が記されているが、ことごとく現代の有様と違っていて笑ってしまった。本編で幾度も指摘されているとおり、科学は科学によって生じる問題を、“未来”の科学に託して先送り先送りにして発展してきているのだろう。そしてSFとは、それら未来という現実へ向かう、即応の逃避行なのである。2013/07/25

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