内容説明
夜が来る。ネヴィルは一人、キッチンで夕食の用意をする。冷凍肉をグリルに入れ、豆を煮る。料理を皿に盛っているとき、いつものように奴らの声が聞こえてきた。「出てこい、ネヴィル!」…突如蔓延した疫病で人類が絶滅し、地球はその様相を一変した。ただ一人生き残ったネヴィルは、自宅に篭城し、絶望的な戦いの日々を送っていた。そんなある日…戦慄の世界を描く名作ホラー、最新訳で登場。
著者等紹介
マシスン,リチャード[マシスン,リチャード][Matheson,Richard]
1926年ニュージャージー州生まれ。第二次世界大戦には少年兵として従軍。1950年に短篇「男と女から生まれたもの」で作家デビュー。1953年には長篇デビューをはたした。SF、ミステリ、ウェスタン、ホラーなど幅広いジャンルの作品を執筆し、短篇小説の名手でもある。また脚本家としても知られ、『ミステリーゾーン』などの人気番組や劇場映画でも活躍した。息子のクリスチャンも作家として成功し、親子の合作作品もある
尾之上浩司[オノウエコウジ]
英米文学翻訳家、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
321
エンターテインメント系のガーディアン必読。いささか古めのSFホラーといった趣きか。作中には多分にご都合主義的なところがあったり、つじつまの合わない点があったりもするのだが、そこはエンターテインメントと割り切ればいい。前半には主人公ロバートの孤独と、吸血鬼たちとの不毛な戦いが展開するし、病理学的な薬味も効かせている。また、結末の第4部ではアイデンティティのあり方が問われるなど、小説全体は数々のアイディアに満ちている。プロットの展開はいたって速いので、あれよあれよという間に読了となる。やっぱり面白いのだろう。2016/06/12
ケイ
148
ウィル・スミスの映画は観ていたので、原作とのあまりの違いに驚いた。映画はやはりヒーローを作り出すものだな。原作の方はもっとダークで救いがない。いわゆる吸血鬼ものと違うのは、その原因を科学的に解明していくところ。最後の最後に彼が気付いたことは恐ろしいのだが、どうして自分で方法を選ばないのかと思った。最もつらかったのは、ヴィクトリアを見守っている事だ。いわゆるゾンビものとは一線を画しているという印象。2017/06/12
まふ
114
吸血鬼に世界中が襲われて人類滅亡の危機が到来する。生き残った主人公は何とか吸血鬼の存在構造を明らかにして対策を練る努力を続けるも間に合わず、遂に吸血鬼どもに襲われて絶体絶命になってしまう…。主人公は「吸血鬼がなぜ吸血鬼となるのか」という生物学的、生理的探究や対策として「十字架をかざす」意味とその有効性、万能性などの「吸血鬼条件」について種々の側面から理詰めに研究するが間に合わず、なし崩しに滅亡していく…ところが却ってリアル感(?!)が出て興味深かった。G559/1000。2024/07/10
chiru
87
ウィルスが蔓延する世界は、たったひとりを残し全人類が『吸血鬼』と化す。 人間としてのクオリティを損なわず生き残ったネヴィルは人類の「オリジナル」。 対して感染者はウィルスに適応しコミュニティを形成する「新人類」。 孤独と闘いワクチンのために尽力するネヴィルは『レジェンド』になりうる敬うべき人物。「レジェンド」のダブルミーニングと価値観の逆転を逆手にとったクライマックスは、作品の締めくくりとしてこれ以上のものはない傑作。 映画もありだけど、小説も味わい深かったです。 ★52018/07/30
keroppi
86
以前読んだジェームズ・キャメロン「SF映画術」の中に何度か出てきていて、しかもリチャード・マシスンなんでこりゃ読まなきゃと思っていたが、やっと読めた。コロナ禍の中で読むと、ウィルスの話が妙にリアリティがあって怖くなる。吸血鬼やゾンビの話をこういう風に科学的に説明するところもなかなか面白い。だが、読みどころは孤独感と、それでも立ち向かおうとする男の姿と、普通が普通でなくなる悲しさだ。確かに傑作だと思った。映画化作品は、どれも観ていないが、解説を読む限り、小説とはだいぶ違うようだ。2021/05/21
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