内容説明
時は19世紀初頭。英国海軍の海尉ジェラルドは密輸監視艦勤務を命じられドーバーに赴いた。だが、着任前に浜辺で死体を発見したことから、あろうことか殺人の容疑者として拘束されてしまう。海軍本部にいる叔父の計らいで、身の証しを立てるために二週間の猶予が与えられたが、彼が調査に動けば動くほど状況は悪化の一途をたどり…酒好きで女好き、それでいて臆病な、海洋冒険小説史上かつてないニュー・ヒーロー誕生。
著者等紹介
トーマス,エドウィン[トーマス,エドウィン][Thomas,Edwin]
1977年英国生まれ。西ドイツ、ベルギー、アメリカで育ち、オックスフォード大学リンカーン・カレッジで歴史を学ぶ。1997年、『エコノミスト』に短篇が掲載され、2003年に『弱気な海尉ジェラルドの冒険』シリーズ3部作の第1作である『ドーバーの伏兵』で長篇デビュー。また同書第1章は、01年の英国推理作家協会(CWA)賞デビューダガーの次点に選ばれた。現在は夫人とロンドンに在住
高津幸枝[タカツユキエ]
国際基督教大学教養学部社会科学科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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鐵太郎
11
面白い。次々と山が来る飽きさせない展開と、見事なネタによるどんでん返し。冒険小説として、十分な価値がありますね。だいたいオビの煽りは信用ならないことが多いのですが、これもまた微妙にはずしているようですな。自暴自棄の役立たず海軍士官にしては、切れすぎるし運が良すぎるぞ。ヒロインが... 良すぎる。(苦笑) 男というBitter-halfの立場から見てそう思うだけなのかどうかは、女性読者の感想を待ちたいですが、こんなに良いヒロインとこんなに簡単にこんなことになるとは... 都合が良すぎるぞ。2005/04/30