ハヤカワ文庫
シルミド―裏切りの実尾島

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150410636
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0197

内容説明

平壌に潜入し、金日成の首を取れ!1968年、北朝鮮によるソウル襲撃未遂事件に激怒した朴大統領は反撃を命じた。囚人ややくざ者からなる暗殺部隊が孤島シルミドで結成されるが、作戦決行までは三カ月しかない。死刑囚ジュノは約束された恩赦を信じ、死者続出の異常な訓練に明け暮れる。作戦からの生還と愛する女との再会だけを夢見て―現代史に埋もれていた異色特殊部隊の悲劇。関係者へ徹底取材を敢行した迫真の実録小説。

著者等紹介

イスグァン[イスグァン]
1954年、忠清北道堤川生まれ。83年に中央日報新春文芸で華々しくデビューし、翌年には中篇「あの扉の外の闇」で第14回サムスン文学賞小説部門を受賞した。94年には『獅子の顔』で第10回韓国推理文学大賞も受賞するなど、ミステリ、普通小説、歴史小説と幅広い分野で活躍している。97年には韓国推理作家協会事務局長にも選ばれた

米津篤八[ヨネズトクヤ]
早稲田大学政経学部卒。朝鮮語翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字スキー

17
【あらゆる記録と証言が、国家機密という理由で、封じ込められた】1971年。朝鮮とベトナムの特需によって奇跡的な高度経済成長を謳歌していた日本のすぐ隣で起こされた悲劇。映画『シルミド』でも知られる実尾島事件を丁寧な取材を元に小説化したもの。登場人物の名前や階級の他、細々とした部分でも違いはあるもののおおよその出来事は周知の通り、国家による筆舌に尽くし難い非道に涙を堪えることが出来なかった。【母が知っているのは、息子が暴動を起こして軍人と民間人をたくさん殺し、あげくに自爆したという話だけだった】2023/01/09

神太郎

14
韓国の暗い歴史の一つ。映画にもなっているのでおそらくタイトルを見てああとなる人もいるだろう。小説という体裁で描かれるノンフィクションだ。にしても暗く、みな何かしら抱えた人物たちの生きざまである。韓国が北朝鮮のトップを狙う為に組織された部隊の悲劇を描く。国の方針に翻弄され、国を思う気持ちが暴走し国内での反乱に舵をきってしまう。正に悲劇だ。勿論、政府は国家機密扱いのため真実は語られていない。男たちの無念の物語である。彼らを最後まで突き動かしたのはただ国に尽くしたいそれだけだった。2018/08/17

ちゃま坊

2
時事キーワード「北朝鮮」「斬首作戦」で知った事件。金日成暗殺のために地獄の訓練を受け、最強の殺人マシンに作られていく31人。1971年そんな悲劇が実際にあった。★★2016/02/29

tai65

1
星4つ2020/06/28

Reina Kobayashi

1
暗いです。。。苦笑 まさに、いかにして生き延びるかという普段の生活では考えないことを、考えさせられる。事実では彼らはテロリストという扱いにあるのかもしれないが、彼らにも人生があり考えや心があった。2013/10/23

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