ハヤカワ文庫<br> デカローグ

ハヤカワ文庫
デカローグ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150407902
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

何万人もの人が居住するワルシャワ市のはずれの高層ビル団地。そこには様々な人生があり、老いも若きも、男も女も、それぞれの過去を、愛を、苦悩を、希望を、孤独をみつめながら、ひたむきに現代を生きていた。運命に左右されすれ違うこともあり、出会うこともあり…。それは偶然と必然の糸でつながれた不可思議な心の物語。十篇の愛の物語を鮮やかに描いた名匠キェシロフスキの伝説的連作映画を完全小説化する話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

お昼寝ニャンコ

14
再読。昔、夫とつきあうきっかけになった本。ワルシャワ郊外の集合住宅が舞台の10篇の短篇集。そこに暮らす様々な住人達が織り成す人生や人間模様。全編を通して、北国の冬特有な灰色の重苦しい雲に覆われた様な、それでいて透明な空気感が漂う。《生きること》のすべての縮図のような物語が淡々と紡がれる。読み終わった後、良くも悪くも心にずっと残り続け、何年経っても忘れられない本。私は映像は見ていないが、成る程、映像が頭に浮かぶ様な視覚感に溢れる文章。とにかく詩的で印象的な1冊。2016/04/22

Ribes triste

12
再読。ワルシャワの集合団地を舞台にした、10編の物語。それぞれの主題は、聖書の十戒にまつわる作りになっています。キェシロフスキ監督による10編のドラマの小説化ですが、言葉だから伝わる感情もあり、映像作品とともに好きな本です。2018/05/10

青色夜ふかし

2
舞台となっているワルシャワの集合住宅に住みたくなる。作品を原点として、拡がりを想像させる作品。それが魅力的な作品なんだと思う。1話息子の死。神に救いを求める父。2話癌の夫。妻は浮気相手の子を妊娠。3話クリスマスイブの元カノとの密会。4話父の遺書を見つけた娘。5話強盗殺人を犯したある青年の話。6話郵便局員の初恋の話。7話未成年出産。8話女性は、40年前、見放した少女だった。9話性的不能を宣告された心臓外科医師と不倫妻のすれ違い。10話切手蒐集家の父の死と兄弟の話。2017/03/25

でりら

2
昔見た映画が懐かしくて(全エピソードは観ていなかった)、DVDを揃えて、そしてこちらを先に読んでしまった。先に映画を見るんだった。脚本家であって小説家ではないのだなという感触。2011/08/18

アレカヤシ

1
十篇のうち、人生の憂鬱、ままならなさを描いたものと、それでも最後に希望の欠片がみえるものとが、半分づつくらいある。第一話は、十戒に照応してると思ったけど、あとのは無理に当てはめている感じがする。「人間の感情の抑制に関する無能力を、私は隸属と呼ぶ。結局、感情にとらわれるとき、人間は良きものを見ながら悪しきことを為す」 何度かあらわれるこの言葉が印象に残る。だけど理性の正しさなんてあてにならないと思う。理性を用いながら最後はやっぱり感情を大事にするというのが最近の自分の方向か? 一話、五話、七話が好きだった。2018/05/06

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