内容説明
1941年末、連合軍の護送船団を攻撃すべく一隻のドイツUボートが大西洋に向けて出撃した。乗組むのは50名あまりの若者たち。だが孤立無援の大海原で彼らを待ち受けていたのは、空襲や大暴風雨、執拗な爆雷攻撃だった。絶え間ない緊張と死の恐怖とに苛まれつつ絶望的な闘いを続ける彼らの運命は?深海の戦場における青春群像を赤裸々に謳い上げ、知られざる潜水艦戦争の実態を未會有の迫力で描破した戦争小説の金字塔。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
190
読み応え大の良き純文学の趣。閉ざされた潜水艦で、ひたすら任務に励む乗組員たち。規律が自慢のドイツ軍とはいえ、これだけ過酷な環境では息抜きもなければ務まらない。卑猥なジョークに上層部批判。諍いもある。腐ってしまった食糧、パンから黴をむしり取る。鼻くそもほじる。日記のように淡々と、現状がつづられる。著者も乗組員であったためリアリティは並ではない。マクリーンの『ユリシーズ号』では嫌われ役だったUボート。こちらはこちらで地獄だったのである。上巻は爆雷から逃れる描写はあるが魚雷を撃つチャンスは無かった。2021/07/04
鐵太郎
12
この物語は、第二次世界大戦で戦ったUボートの物語です。ドイツの潜水艦乗りは、自分たちの潜水艦をただ「ボート」と呼んでいたそうな。ドイツ語で、「Das Boot」と。この本は1973年に出版され、そのあまりに淡々としたリアルな描写とドラマチックな展開から一大ベストセラーとなり、後にヴォルフガング・ペーターゼン監督のもとで1981年に映画化されました。 前書きはこんな恐るべき言葉で終わっています。 ・・・第二次世界大戦のドイツ海軍Uボート要員4万のうち、3万が戻らなかった。 2010/02/26
丰
1
Y-102001/04/26