感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
451
イギリス軍に多大な被害を与えた難攻不落の砲台島、ナヴァロンを破壊せよ。命じられたのは、当代屈指の登山家マロリー大尉以下の5人。島に接近するだけでも至難なのだが、そこから400フィートの断崖を登攀し、さらにはドイツの守備隊が大挙して待ち受ける中を要塞に忍び込み、と次から次へと困難と命の危険を掻い潜って行く。息詰まるサスペンスはロール・プレイイング・ゲームそのもの。しかも、後になるほど試練は強大に。その割には最後は意外にもあっけないような気もするが。また、あざとさが鼻につくと言えばそう。極めて映画向き。2016/09/24
absinthe
185
金字塔。映画でも有名な作品。要衝に鎮座する巨大砲台を短い期限で破壊しなければならない。難攻不落の要塞に臨む工作員の物語。わずか数日を1冊にした濃密な仕上がり。黙々と任務をこなすマロリー大尉とうるさ型のミラー伍長の掛け合いも良いし、大男のアンドレアもいい味を出している。銃撃戦は少ないが、ナヴァロン島の高山や海岸の崖を通り抜ける山岳冒険にもなっている。戦争の無意味さを知りながら、困難に打ち勝ち任務を諦めない人物たちのカッコよさ。2021/06/24
ケイ
126
ドイツからナヴァロンを奪い返せ!マロリーと腹心の部下アンドレア、そして彼のために集められた3人の個性豊かな精鋭たち。寄せ集めのようで、みな、すべき仕事をわかっている男たち。彼らがそれぞれに取る行動がどれも男らしくて惚れぼれとした。相手のドイツ兵でも、ドイツ兵だから憎むのではなく、相手を選んだ上で容赦しない彼らは、寄せ集めの仲間への友情と愛情に溢れている。さて、そのうちに映画も見よう。2016/04/20
扉のこちら側
85
2016年859冊め。【216/G1000】難攻不落といわれるドイツのナヴァロン要塞に行って大砲を破壊してきなさい、という大変な任務なのだけれど、悲壮さはない。マロリーがリーダーに選ばれたのは世界有数のクライマーの腕を買われて122メートルの垂直の崖を登攀するためなのだが、その見せ場が終わって島に上陸した後にこの急造チームの真の見せ場がやってくる。ただスリルの連続すぎて読後は結構疲れていた。2016/10/15
NAO
83
実在の登山家マロリーを主人公としたスパイもの。 自然との闘い。スパイとの闘い。自分との闘い。いくつもの試練が待ち受け、最後の最後まで、息つく暇もなく、読み始めたら一気読みという、迫力満点、読み応え満点の話だった。最後の最後で尻すぼみな感は否めないが、これぐらいは許容範囲かな。きわめて視覚的な話だから、映画で見る方が面白いかも。2019/01/31