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ハヤカワ文庫
燃える戦列艦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150400873
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aminadab

22
執筆順第2作。1810年、74門搭載戦列艦の艦長となった主人公は、ナポレオン軍占領下のバルセロナへの地中海海上補給路の攪乱を命じられ、わずか数日間の単艦行動で驚異的な成果を上げる。面白いのは主人公の資質で、帆船の操艦と戦術には天賦の才があるのだが、性格は繊細でやや女々しく、自然に人がついてくるタイプではない。むしろとっつきにくくて怖い上司を演じ、部下の尉官たちの暗黙の協力をも得て、500人もいる水兵たちを実績で信服させるという、非常に人工的なリーダーシップが説得的に描かれる。冒険は痛快だが台所がリアル。2022/12/02

fukumasagami

10
現実に戦争行為のさなかにある今ですら、戦争そのものを、その人間的な内面を切り離して、あくまで理論的に考えることは、きわめて容易である。自分の部下たちにとって、山腹を逃げまわっている制服を着たあの小さい姿は、暑さ、渇き、疲労で死ぬような苦しみにを味わっている人間ではないし、路上に散乱している微動だにしない姿は、はらわたのはみ出した死体でもなければ、つい最近まで父親や恋人であった人間ではない。部下たちの目から見れば、おもちゃの兵隊に等しい存在にすぎないのだ。2019/10/05

けるぴー

5
太平洋から帰還したホーンブロワーに新たな任務が下された。シリーズ六巻では舞台を地中海に戻し、覇権を狙うナポレオンを阻止せんと奮闘するホーンブロワーが描かれる。と書くといかにも英雄然としているが、作中に見る彼の姿は船に酔い、自己嫌悪に陥り、部下にいいところを見せて内心ほくそ笑む、ごく普通の人間であり、一方で勇気を奮い立たせ、知恵を絞り、自らを律する尊敬や崇拝に値するような人物でもある。現在の価値観とは異なるところが多々あるにせよ、彼が今なお輝きを失わない魅力の持ち主であることは間違いない!2011/04/15

shiro

4
新たにサラザンド号の艦長となったホーンブロワー。新しい上司はレディ・バーバラの旦那さん。あまり有能な人物じゃないなあ。無茶な命令と無理解に翻弄されながら任務をこなし、最終的に四対一の戦いに身を投じることになる。イギリス海軍の統率と熟練の技術が頼もしい。ホーンブロワーとブッシュの運命が気になる次巻。2017/12/10

カラヤ3

3
帆船を戦闘用の艦にするためにどれだけの人数と資材と手間が必要かがよくわかる。たんなる海洋冒険小説にとどまらず今も読み継がれてるのはそのようなところにもあるのではないだろうか。2020/12/29

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