感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
63
読了後に言葉が出なかった。中学生の時に既読のはずなのだけれど、当時はこの本の怖さや教訓が、本当の意味で理解出来ていなかったと思う。寧ろ、唖然としてしまった点でも本好きとして、初読の時よりは少しは変わったのかな?と。探偵も犯人も登場しないメアリ・ウェストマコット名義の作品の一遍。敢えて内容には触れないけれど、自分自身を振り返る事が出来る本は良い。 2018/03/05
goro@80.7
55
ロドニーは幸せなのか?ジョーンは幸せなのか?砂上の楼閣のような家族。どこの家族もそんなものか?これはジョーンが悪いのか?傷つけることで壊れてしまうよりこのまま仮面のように続ける事が大事なのか?どこの家庭も一歩奥に入れば溜息つくことばかり。2018/01/14
ごへいもち
35
クリスティでなければ読まなかったと思う。残念ながら好みじゃない。でも一度は読みたいと思っていたしクリスティ制覇を目論んでいたけどミステリ以外は読まなくてもいいかなということがわかったので良しとしよう。でもなんて魅力的な邦題。中村妙子さんのつけたタイトルだそうだけど原題Absent in the Springより趣があるなぁ2014/10/07
Wisteria
16
結局変わらんのかい!とツッコミつつ…。所謂、過干渉な妻であり母でありと言った所か。うんざりするけど、こういう女性は多いと思う。まだ一度でも自分と向き合ったジョーンはマシでしょ。ジョーンのせいで皆不幸だったかと言えば、それだけでもないと思うし、良き妻良き母な部分もちゃんとある。でももう一歩の所で結局変わらなかった。ジョーン自身はそれが一番幸せだろうし。家族も各々頑張るしかない。疲れるけどね、こういううるさいのが家にいると。2015/10/11
カイオン
13
自省する主人公に、自分を重ね合わせてしまう。何をもって正しい選択とするのか、何が本当の幸せなのか、と堂々巡りになる。劇的な、刺激的なことがなくても、ただ時が過ぎるだけで十分に満たされるのでは?どうにも、うまく言えないが、自分を肯んじることの難しさを越えられたら、たぶんそれは成功の一生と言えるんじゃないだろうか。2016/10/26