内容説明
「大東京学園」の存在意義に疑問を感じはじめたアキラは、何者かの計略により「新宿」クラスへと降格になってしまう。そこでは、リーダーのシマバラはじめ13人の生徒たちが、学園からの脱走計画に命を燃やしていた。一方、肉親の死に絶望し、20世紀への思慕を募らせるシゲル。それぞれの想いが交錯するなか、学園最大のイベント「大東京オリンピック」の開催日にして、“脱走の特異日”である10月10日が迫っていた―。
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964年宮城県生まれ。早稲田大学卒。1992年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『六番目の小夜子』でデビュー。2005年、『夜のピクニック』で第2回本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞受賞。2006年、『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
100
★★★☆☆21073【ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (恩田 陸さん)】今年は東京2020ですが、下巻話は近未来の大東京オリンピックから昭和39年の東京オリンピックへと。うん、タイムリー!さて、近年、オゾン層破壊,温暖化,氷河融解.ゲリラ豪雨,寒暖地域逆転,宇宙ゴミ散乱,未知のウイルス蔓延など、とても人類が、地球が、永久に安泰でいられるとは思えない事ばかり。それら問題の殆どが自分(人類)で自分(地球)の首を絞めてる的な気もします。もしかすると、この作品のようなディストピアと化すのは時間の問題かもですね。2021/08/02
拓郎
51
上巻よりサブカルネタが少ない分スピード感があって楽しめました。ハンカチ落としってみなさん知ってるのかなー。私は知らなかった。登場人物が多くフォローするのが大変でした。2015/09/19
kei@名古屋
42
脱出とはこういう事なのか!バブルや昭和が好きな人たちには非常に楽しめる近未来のお話だったはずが、某●の惑星が好きな私はあの見終わった時の虚無感を感じたのと、希望に溢れるこのオリンピック前に読めたこと。いろいろな感情が入り乱れれた上下巻だな。これ誰か知り合いの人にも読んで欲しいなぁ2018/07/30
アマニョッキ
41
下巻は一気読み。本当に面白かった!こんなにサイケでキッチュな作品は久しぶり。下巻もいろんな角度から楽しませてもらいました。あらためて昭和のサブカルがどれだけエネルギッシュで魅惑的かを知らしめてくれる素晴らしい作品でした。タイトルの意味をまだ考えついていないという恩田さんでしたが、ロミオとロミオが永遠にこのサイクルをたどる、、、と考えると一気に恐ろしくなりますが、私は永遠に幸せに暮らせるほうに賭けたいかな。しかしテリー・ウォシャウスキーの名前には笑いました。やっぱり恩田さんとは映画の趣味が合いそうです。2017/04/30
siro
40
下巻はドキドキしながら一気読みでした。少年達の友情、謎の内通者、不思議な電話BOX、大脱走。どーなるの~って期待したわりにはアッサリした結末だったかなぁ。電話BOXからの声はそういうことですか。面白くて、ちょっと切なくて、でもよく分からないままの所も多かった。いつもの恩田作品と雰囲気がちがうかなと思いますが、読者に委ねる感は正に恩田作品でした。2013/05/01