内容説明
「人類統合体」の攻撃をようやく逃れたラフィールとジントだったが、不時着した惑星クラスビュールは、すでに敵艦隊に占領されていた。帝国に戻る手段を失った二人は、味方の艦隊が戻るまで、この地に潜伏しなければならなくなった。だが、宇宙空間では無敵だったアーヴの王女も、地上では、世間知らずの少女にすぎない。立場が逆転したジントは、王女を守って行動を開始した。―新時代のスペースオペラ、堂々の完結篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
71
ついにあの方が登場! 公爵の中の公爵にして、アーブ帝国軍の準提督(すぐに提督に昇進しますが)レトパーニュ大公爵(ニーフ・レトパン)のスポール準提督(ロイ・フローデ)ぺネージュさんが!! 何事にも生真面目な主人公のラフィールとは正反対であり、アブリアルをからかうたことが生きがいという人。2人があまりにも対照しすぎて、ぺネージュのキャラが立ちすぎている。主人公のラフィールの影が薄くなるくらいに。いやぁ~強烈でした。クファデス先任参謀(アルム・カーサリア)、お気の毒さま……2015/11/08
佐島楓
45
助け、助けられながら冒険を繰り広げてきたジントとラフィール。その旅にいったんの終止符が打たれる。世界観、人物描写ともに練られたものであった。アニメ化されたのも納得。楽しかった。2016/04/09
こも 零細企業営業
25
老化しないように遺伝子組み換えされた奴が、日々の差別への鬱憤晴らしのためにアーヴの生贄を求める。 それにノラリクラリと消極的に応じる占領地の警察官達はなかなかに大人だ。 そして、3年後。ジントは20歳になって突撃艦に搭乗する艦長はラフィール。持ってるな!w スポール提督の参謀もw2019/11/21
マッピー
22
まず、いちいち付いているアーヴ語のルビが煩雑。続きが気になると言っているのに、目が忙しくてなかなか進まないもどかしさ。それから登場人物が多くて、誰が誰だか最後の方はもう思い出せなかった。でも、敵味方ははっきりキッパリわかるので問題なし。さらに、位置関係がわからない。巻頭に平面宇宙図でも載せておいていただけるとよかったのだが。最後に、クラスビュールからの脱出行あたりから物語が駆け足。以上文句たらたら書きましたが、面白かったのは間違いない。SFを読み始めた頃のわくわく感を思い出しながら、終始楽しく読みました。2023/10/31
シタン
22
サイロス・ロスロータジュ!良き旅だった。やってくれたな、葬儀屋。影を潜めていた久々のルビの乱舞に喜びを隠せない。ルビが多い文章は落ち着く(僕だけか)。続きもあるようだが、この凝りまくった設定の物語をうまくまとめたなぁという感じ。最後の方のストーリーがとても好み。付録としてアーヴ語の成立の概略が載っていて面白すぎる。これは研究のしがいがありそうだ。2020/09/23