内容説明
魅力的なキャラクターを創る方法とは、ストーリーの盛り上げかたは、作ったアイデア・カードの活用方法とは、といった創作の秘訣から、ホテルでのカンヅメの仕方、ライティング・デスクとチェアの選び方、さらにはSFプロ作家のワープロ・ソフト大公開まで、具体的な創作方法をわかりやすくおもしろく語り、星雲賞を受賞した文章読本を文庫化にあたりバージョンアップ。これを読めばあなたもプロ作家になれる。
目次
0 そもそもなんでこんな本を書く気になったかというと…それには深いわけが…
1 古典的スペース・オペラ…そして、私のスペース・オペラ
2 それではひとつ、君もスペース・オペラを書く気になってみようじゃないか
3 スペース・オペラを書きたい奴は毎日の心がけを忘れてはならない
4 わが天敵・姐御の話…名作は骨までしゃぶりとれ!―名作解剖法
5 そのピンクのビルを見たとたん、私はキラリと閃いた…。―スペース・オペラの筋作り
6 私をブチのめした言葉―“読者を結末まで疾走させるベクトル感覚”
7 スペース・オペラいよいよ書きます!
8 弘法大師じゃないんだから…。“筆”を選ばなければならないンである。
9 傑作スペース・オペラついに誕生
10 書き残した大切な事がひとつあった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
131
高専生のとき読んだ。20年以上前か?娯楽小説の書き方全般にかかわりそうなネタを満載している。作家の書くエッセイ本、という趣でもあるが、意外に実践的でもある。思い出のまとめ方、右往左往シートの使い方、名作解剖のやり方、作品の時間軸の整理、など等……。過去の名作もいろいろ紹介される。ジャックヒギンズの名作「鷲は舞い降りたを」読んでみたいと思ったのは本書がきっかけ。氏が培ったノウハウが余さずかかれたかに思われたが、後書きに「私はとっくに別の新しい方法を編み出してるもんね…」と子供っぽく締めくくる。
MICK KICHI
70
野田昌宏”宇宙軍大元帥”のSFスペースオペラ愛に溢れた執筆論。時代性もあって、日本SFの隆盛時を改めて追体験できる名著だと思う。スペースオペラ自体当時でも懐古趣味的なジャンルでありながら、いまだにスター・ウォーズが作られ続ける所を見ると、科学考証などとは別の所に醍醐味があり、世界観の壮大さやストーリー展開の流れの良さ、キャラの魅力に尽きると思う。今はあまり語られる事の無い作品の評価や魅力に触れていている部分が多く、メソッド部分が本書の主題だがエピソードの方が今となっては貴重である。2019/11/28
くさてる
21
タイトルに偽りなく、まさに「スペースオペラの書き方」が学べるのでは。それはスペースオペラに限らず他のエンタメ小説にも通じる部分があると思います。ところどころに時代を感じる記述はあるものの、とても面白く読めました。「銀河乞食軍団」読んでみようかな。2020/04/22
緋莢
21
アメリカのパルプ雑誌の蒐集と研究として名をはせ、大学卒業後にフジテレビに入社、「ひらけ!ポンキッキ」を手がけた著者(しかもガチャピンのモデルと知り、驚きました) 海外のスペース・オペラを翻訳し、紹介、自らもスペース・オペラを書いた著者が、その書き方を紹介しています。スペース・オペラを主としていますが<いわゆる“名作”、“代表作”と言われるものにまんべんなく目を通しておく事が 必要である>というインプットの重要性や(続く2020/04/04
白義
9
日本一のスペースオペラ大好きおじさん・野田昌宏宇宙軍大元帥による、愛するスペースオペラを自ら書こうとして苦闘した戦いの成果が洗いざらい公開されたスペースオペラ実作指南書。陽気で剽軽な語り口でどうアイデアを育て、お友達になりたいキャラを動かし、波乱万丈の大宇宙に飛び出すのかその方法論が単に説明解説ではなく実感を持って語られているので一気に読めしかもしっかり実用性のあるスグレモノ。実際に開陳されている著者のひねり出したアイデアも実に楽しいものが多いし、軽やかな文体はこの本自体を小説のように楽しく読ませてくれる2017/12/09