内容説明
外惑星連合軍が劣勢を挽回するために投入した唯一の正規巡洋艦サラマンダー。しかし急造艦の宿命か、エンジンは不調を訴え応急修理を必要としていた…。決死の作戦行動の後、次第に追いつめられていく巡洋艦サラマンダー。それを追う航空宇宙軍艦隊。両者の息づまる戦いを描いた表題作、及び「サラマンダー追跡」木星系最外縁の衛星基地での外惑星連合軍による総力を挙げての迎撃作戦を描いた「アナンケ迎撃作戦」イオの低高度軌道観測衛星アルゴス‐3で生じた悲劇「最終兵器ネメシス」など、第1次外惑星動乱末期の戦いを描いた4篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジロリン
11
再読。第1次外惑星動乱の末期から終戦までを描く、連作短編集。外惑星連合が唯一就航させた正規巡洋艦"サラマンダー"なんて、魅力的なネタを投入しながらも、戦闘場面は一瞬。あとはひたすら軌道の選定やら、艦隊の配置やらロジスティックな考察ばかりw だが、だからこそ重厚な戦記物を読んだような気分になれるSF。2016/04/09
記憶喪失した男
10
雨漏りのする宇宙船という用語がまったく意味がわからなかったが、ささいなことだろう。宇宙艦隊戦ものとして、かなり面白かった。熱い。2016/06/11
チャゲシン
1
外惑星連合軍唯一のフリゲート艦サラマンダー。性能不明の艦を航空宇宙軍の大部隊が包囲する。しかしサラマンダーは試験航海も出来ずに技術者を乗せて戦闘に参加している状態だった。一方の航空宇宙軍艦隊も寄せ集めで、推進材の残量から、いつ包囲網が崩れてもおかしくない状態。味方が苦しいときは敵も苦しい。戦闘が武器のスペックでは決まらないとはこういうことなのか。相も変わらずシビアなハードSFでござる2017/10/08
ぱたけ
1
25年ぶりくらいに再読。昔は感心していた部分が、ごく普通に感じられる。成長したのか、鈍摩したのか。2017/09/16
総代
1
外惑星動乱をあつかう航空宇宙軍史シリーズ。やたらと日系人が幅を効かせていたりするところがご愛敬だが、架空歴史小説として、田中芳樹と比べてハードSFよりのなんか武骨な作品。手に汗握る謀略戦!派手なシーンはないところが!!逆に燃える!2012/06/11