内容説明
全世界がぼくの敵だった―ミラは自ら生命を断ち、ファンは永遠に去っていった…。イヴとレダとの運命の出会いに端を発した様々な事件は、理想社会たらんとするシティ中を巻き込み、ついには人類の存亡をも左右することになっていく。“自己”に目覚め、多くのものを失い、そして、イヴは歩きはじめる…。「嵐よ、来るなら来るがいい。ぼくはおまえなどを恐れたりしない。おまえにはぼくをうち倒せない。何ものも、ぼくがレダを愛することを止められないのだ」理想社会に生きる少年の成長と、人類のあり方を描く未来SF問題作、完結篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆kubo
12
何度も読み返してる大好きな本。この頃はあのクドイくらいのモノローグも気にならないんだよな。栗本さん天才と思った。栗本さんの作品ではこれと「猫目石」が好きなんだけど、ふと気が付いたらラストが似ていた。2015/04/04
Tanaka9999
7
1988年発行、早川書房の文庫本。あとがき有。あっ、レダも死ぬのか。あとがきでは作者が「青春小説」と定義しているが、最後の部分は納得。アウラは精神的に死ぬのか。必要があるのかもしれないが、アウラはちと可哀そうかも。さて、最後まで「レダ、レダ、だレダ」と軽く読めるものではなかった、と(3度目)2021/07/06
あさ
5
何度読み返したか。久々の再読。ファン、レダ、アウラ。未来社会の中で、長いイヴの一人語りに共鳴して、一緒に世界に対峙しているような気分になる。シティとスペースマンのやりとりは「メディア9」を思い出すな。2017/08/10
☆CHIKO
3
最後まで読み終わって、この作品を読むきっかけとなった飯島真理の「レダ」を聴きたくなり、ネットで検索しました。曲を聴いてまた涙・・・そっか・・・この作品とあの曲はそうだったんだ・・・思えば、この作品が私の栗本作品初だった気がします。曲を聴いて思い出しました。2010/02/12
NOB
1
どんなに科学が進歩して優れた社会になろうとも、感情が抑制されることが当たり前になったからとしても人間は決して本当には判り会えないということ。2017/04/20