内容説明
異界族と人類が共存するヴィクトリア朝ロンドン。伯爵夫人アレクシアは妊娠八カ月を迎えた。お腹の子の異能を恐れる吸血鬼の執拗な攻撃に、人狼団はある秘策を打つ。そんななか消滅寸前のゴーストが現われ、女王暗殺をほのめかした。凶事を防ぐべく暗中模索の捜査を始めたアレクシアは、やがて夫マコン卿と人狼団にまつわる過去の秘密と出会う―謎解きとユーモアと叙情が贅沢に織りなすスチームパンク冒険奇譚、第四弾。
著者等紹介
キャリガー,ゲイル[キャリガー,ゲイル][Carriger,Gail]
考古学と人類学の学位を取得。2009年、『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』でデビューするや、読者や書評家の絶賛をあびローカス賞をはじめ三つの賞にノミネート。また同書にはじまる“英国パラソル奇譚”シリーズの第二巻『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』および第三巻『アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う』はともにNYタイムズ紙の全米ベストセラー・リストにランクインしている
川野靖子[カワノヤスコ]
熊本大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
206
凄いな。シリーズでも屈指じゃなかろうか。このシリーズは1話完結じゃないから順番に読まないとわけがわからない。設定もかなりぶっ飛んでる上ストーリーの起伏も大きい。特にこの作品は謎に満ちた前半、前作までの最大の謎が明かされる中盤、ド派手な争いが起こる後半。せわしないが迫力満点、ただ、妊婦にアクションさせる様な迫力の出し方はこれで終わりにしてほしい…。2016/10/07
佐々陽太朗(K.Tsubota)
84
妊娠8ヶ月のアレクシアが八面六臂の大活躍。お腹のチビ迷惑はどうやら<魂盗人>(soul stealer)に生まれてくるらしい。その子を亡き者にしようとする吸血鬼の攻撃をブロックしながら、女王陛下暗殺計画を探るという展開にハラハラドキドキ。暗殺計画を探るなかで、キングエア団による過去の謀略とライオール教授の秘密が明らかになる。なるほどそうだったのかっ!と納得したのも束の間、現在の女王暗殺計画が差し迫った危機としてアレクシアを襲う。それにしてもまっすぐで気丈なアレクシアは “Just my type”です。2012/12/23
mocha
68
ますますお腹が重たいアレクシア。それでなくても上流社会のドレスは動きづらくて、吸血鬼相手によたよたとパラソルを振り回す。人狼団の過去や新米人狼ビフィの苦悩、そしてルフォーの恐るべき秘密兵器。目まぐるしい展開にページを繰る手が止まらない。予想通りとんでもないベビー誕生で、アケルダマ卿ではないけれど「いやはや、これはいったい!」2021/08/19
アイゼナハ@灯れ松明の火
40
てっきり子供が産まれてからのお話だと思ったら…妊婦なのにこんな事件に立ち向かっちゃうところは流石です(笑)ヨタヨタ、ドッスンのアレクシアにお付き合いする男性諸君を見ていると、英国はやはり紳士の国だなぁと…含む吸血鬼や人狼ではあるのですけどね(汗)陰謀劇というよりはコメディタッチのドタバタが中心ですが、結構登場人物それぞれに出番があって、キャラの魅力が増した感じ。特にライオール教授の秘められた過去にはビックリです。そしていよいよ産まれた〈チビ迷惑〉の正体とは?? 次巻で最終とは信じられませんが楽しみです。2012/04/19
星落秋風五丈原
36
ヨーロッパ中を駆け巡った夫婦喧嘩も無事収まり、マコン郷といちゃラブ状態のアレクシアが「吸血鬼からの暗殺を防ぐために生まれてくる子供をアケルダマ郷の養子にしよう」と提案されてぷんすかする、比較的平和?な場面から物語は始まる。例え妊娠中であっても、思い立ったらすぐ行動のヒロインなので、妊婦だろうと所構わず走りまわる。そうなると夫もじっとしてられなくて…といういつものパターン。それにしても安定期とはいえ妊婦が登場人物中一番走るシリーズってどうなんだ。マコン郷がキングエア人狼団を去る事になった事件の真相を知る。 2017/08/29