出版社内容情報
めざすは1965年!? 自分の時間旅行が原因で世界を変えてしまった男の獅子奮迅の活躍をユーモラスに描いた時間テーマSFの傑作!
内容説明
空飛ぶ自動車にロボットメイド、宇宙観光…かつて人々が夢見た輝かしい未来が実現したもう一つの2016年からぼくはやってきた。きみたちの“間違った世界”に。この世界がディストピアになったのは、すべてぼくのせい。クリーンなエネルギーを無限に生みだす革命的装置ゲートレイダー・エンジン起動の瞬間に、ぼくが立ち会わなければ…。世界を変えてしまった残念な時間航行士の冒険を描く、可笑しくも哀しい時間SF。
著者等紹介
マスタイ,エラン[マスタイ,エラン] [Mastai,Elan]
カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーの生まれ。カナダの公立大学、クイーンズ大学とコンコルディア大学で映画を学び、メディア研究で修士号を取得。大学在学中だった25歳のときに脚本家としてデビュー。小説家としてはデビュー作となる『時空のゆりかご』は、パラマウント・ピクチャーズが刊行前に映画化権を取得し、現在、製作も兼ねているマスタイ本人が脚本を執筆中
金子浩[カネコヒロシ]
1958年生、早稲田大学政治経済学部中退、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TSUBASA
26
1965年、天才科学者ゲートレイダーは無尽蔵にエネルギーを製造する装置を稼働させる。その「ゲートレイダーエンジン」はあらゆる科学的進歩を許し、世界はユートピアになるはずだった。2016年タイムマシンが開発され、ポンコツ時間航行士のトムが間違いを起こさなければ。全体的にトムの負け犬根性が滲んでて読んでて憐れに思えてくる。今のこの世界がディストピアなんて思わないし、トムの世界がユートピアとも思わないけども、やはり時間は人間が手を入れてはいけない代物なんだな。時間航行の方法が細かく言及されてるのが面白かった。2018/09/26
Atsushi Kobayashi
17
kindleで安売りされていたので購入。 大枠の流れと、時間旅行者がアンカーになる、という概念は秀逸。でも、細かい表現が、ちょっと好みにあわず、残念。2018/10/24
けいちゃっぷ
16
基幹のアイデアはなるほどね、という感じだが、いかんせん長すぎ。 自分のミスによりユートピアからはじき出されてしまった主人公はなんとか元の世界へ戻ろうとするが・・・。 良く分からないが、オリジナリティも少しはあるかな。 455ページ 2018/06/08
もち
13
「ぼくは建築家だ。構造の築きかたなら知っている」◆喪失を携え、51年前へと転移したトムは、ユートピアだった未来を失った。永久機関が供用されなかった世界にシフトしたのだ。元の世界へと戻すため、消えた十億人を救うため、時空をまたぐ奮戦を続ける。■SFらしい切り口だが、人間の内面を丁寧に描いた物語だった。空想科学は、信念を炙り出すピースに過ぎない。ある装置の「仕組み」に愕然とした後、二つとないゆりかごをめぐる、二十秒間の総力戦に涙する。2018/03/21
眠り王
8
主人公の行き当たりばったりな行動と自己中心的な性格がどうにも最後まで気になってしまい流し読み気味になってしまいましたが、後半の展開は楽しめました。 最後はハッピーエンド風に終わっていますが、苦悩の末選んだ未来というよりは、妥協した結果に思えてしまいちょっともやもや…2018/10/19