内容説明
人類とＡＩが融合した“共同体”の突然の崩壊により荒廃した世界を立てなおしたのは、統制府が創造した二人～五人の集団―小群だった。彼らは匂いで会話し、手首のパッドに触れ合うことで記憶や感情を共有し、まるで一人のように行動する。アポロ・パパドプロスもそうした小群の一組だった。二人の少年と三人の少女からなるアポロは、外宇宙探査船の船長をめざし、過酷な訓練を続けていたが…ローカス賞に輝く衝撃作。
著者等紹介
メルコ，ポール［メルコ，ポール］［Ｍｅｌｋｏ，Ｐａｕｌ］
１９６８年、オハイオ州の生まれ。シンシナティ大学で原子核工学を学んだあと、ミシガン大学の大学院に進み修士号を取得した。１９９３年に卒業後は、総合電機メーカーで原発大手のウェスティングハウス社に入社。原子核工学エンジニアとして５年間勤務したのち、ＩＴ業界に転身した。２００２年に「燃える男」がレルムズ・オブ・ファンタジー誌に掲載され短篇デビューを果たす。２００８年に発表した『天空のリング』は好評を博し、ローカス賞第一長篇部門とコンプトン・クルーク賞を受賞
金子浩［カネコヒロシ］
１９５８年生、早稲田大学政治経済学部中退、翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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GaGa
46
読んでいる最中は中々面白かったが、かなり乱暴なストーリーで、よく意味の分からない要素も多々あったことはマイナス。個人的にはマニュエル視点の件が一番楽しく読めた気がする。その後はどうにもつながりが悪く、行き当たりばったりに話が進んでいった気がする。でも、楽しく読めたからまあ、いいや（笑）2012/07/24
はんみみ
10
脳内で海外ドラマで再生しながら読んだ。ドラマ1話は第1章をパイロット版二時間spで。中盤ダレる所も海外ドラマ的。＊いろんなSFもののアニメ、漫画、小説の設定を思い出した。＊もう少し展開を絞ればよかったのに、全体が雑になってしまっていて残念。2014/05/19
のがわ
9
機械と人類で構成される〈共同体〉の〈大移住〉後の混乱から回復した地球は〈統制府〉によって統一。遺伝子操作された複数の人間が一つの人格として行動する〈ポッド〉テクノロジーによって支えられていた。 フェロモンによるコミュニケーションと記憶共有によって５人の男女が統合された〈集合体〉が主人公。といっても超人格のようなものが存在するわけでなく、他人に対しては一人として振る舞うが自身はあくまで個性あるメンバーとして描かれる。この設定のため前半は描写がややゆっくりでテンポが悪いが後半は一気に読ませる。2015/05/31
Book Lover Mr.Garakuta
6
図書館本：速読。★3：それなりに面白かった2019/01/28
仮定体
5
人がネットの速度で大勢つながるとオーバースピードで燃え尽きてしまうという下りに恐怖を覚えた。あえて生物学的な低速インターフェースが必要という視点が新しいかも。現代のネット依存を究極に押し進めていくと、人間が情報のスピードについていけなくなる（今すでにディスプレー＋肉眼視による情報入力は限界ではないか？）。 経済至上主義により、誰もが周りを出し抜こうとして、スピードアップすると今にこの物語のように破綻するにちがいない。だいたい、全人口を支えるエネルギーも資源もないのに。2011/10/14
