内容説明
遥か数千年もの未来、地球化された火星のオリュンポス山の麓に住む学師ホッケンベリーは、ギリシア神話の神々やアキレウスら英雄たちが、ホメーロスの『イーリアス』さながらに戦うトロイア戦争の動静を観察していた。しかし、ある女神に召し出され、思いもよらない使命を受けたときから、一介の学師ホッケンベリーの運命は大きく狂い出す…。現代ＳＦ界の巨匠シモンズが圧倒的なスケールで贈る新叙事詩シリーズ開幕篇。
著者等紹介
シモンズ，ダン［シモンズ，ダン］［Ｓｉｍｍｏｎｓ，Ｄａｎ］
１９４８年生まれ。トワイライト・ゾーン誌のコンテストで一席に入選した短篇「黄泉の川が逆流する」（１９８２）でデビュー。処女長篇『カーリーの歌』（１９８５）で世界幻想文学大賞受賞。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作『ハイペリオン』（１９８９）にはじまる“ハイペリオン”四部作、ローカス賞受賞作の『イリアム』（２００３）、『オリュンポス』（２００５）からなる“イリアム”二部作は、現代ＳＦの最高峰として読者の圧倒的な支持を獲得した
酒井昭伸［サカイアキノブ］
１９５６年生、１９８０年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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武夫原
10
ハイペリオンシリーズ全部読んで更に、シモンズの小説が読みたいため、手に取りました。「覚醒」に負けず劣らず分厚い本です！神々は超テクノロジーの力なのか。ハイペリオンの虚空間やらゲートやら転移やらおなじみの言葉が思い浮かべます。クラークだったっけ？科学が高度に発達すると魔法と変わらないと言ったのは。神々の再生槽の描写が興味深いな。下巻はどんな展開になるのか、楽しみ。2017/10/10
けいちゃっぷ
6
ふー。さすがダン・シモンズ。迷い込んだ（？）読者の心を決して離しません。三つのパートに分かれてますが、いずれは統合するのでしょうね。６６５ページ2012/05/10
prosecco
5
ハイペリオンから没落覚醒孤児を踏まえてイリアム前半登頂、やっときた。ギリシャ神話のトロイの木馬あたりのお話が、木製から火星探索へ向かうアンドロイドと、文化は失われてかりそめの文明遺産で暮らす地球人に、神話世界のイリアム攻防を研究させられている当代あたりから復活させられた学者が見ている量子テレポやナノマシン強化を操るハイテクな神々？が３本順繰りに進んで交錯する今はいつなのか？？？不明のままながらドキワクでページ止まらず。巨匠シモンズさん、やっぱごいすー、意味不明多謝。下巻へ。2017/05/24
魔魔男爵
5
300P過ぎてやっと普通の小説として面白くなり、500P過ぎてセンスオブワンダー溢れるSFとしても爆発的に面白くなった。100P未満でホモネタ出てなかったら挫折するところであったW意思の疎通が巧くいく事を心が通うとか心を掴むとか言うが、比喩でなくて本当に心臓を鷲掴みさせてコミュニケーションする宇宙人(妖精?)のアイデアに拍手喝采した。人間じゃなかった木星ロボット知性体を救う為緑の小人は死んでいく。命を懸けないと他者の求めるものが判らないって凄過ぎる設定だねW命懸けて叫べ!我々は貴方に対して何をすれば良い?2014/08/01
massn
5
ハイペリオンが「今までSFを読んできた人へのプレゼント」だとしたら、イリアムは「これまで文学を読んできた人へのプレゼント」だ。ギリシア神話を文字通りSFとして組み立てる。ビックリマンみたいで日本のサブカルしかこんなことしない、と思っていたら、力技で重厚なSF？にしてしまったという感じ。今のところ設定がわけわからないけど、下巻で解決されるかなあ。今のところすんげ面白いです！2011/02/06
