ハヤカワ文庫
夏への扉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150117429
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。

著者等紹介

福島正実[フクシママサミ]
1929年生、1976年没、作家、評論家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

877
再読。けっしてSFらしくはないが、タイトルがいい。時間パラドックスにはどうしても無理があって、その辺りにはSFとしての古さも感じるが、古典的なSFとして楽しめばいいと思う。なにしろ1957年に書かれながら、物語世界を1970年に設定し、さらには2000年の世界を想像しているのだから。ハインラインの2000年は、今から思うと随分科学が進歩しているのだが、彼は未来を肯定的に捉える人なのだろう。エンディングも、タイトルを回想しながらなかなかにいい感じだ。2012/04/18

ヴェルナーの日記

598
タイムトラベルを題材にした古典SFの代表作。21世紀の現代に至っては、もはや時代錯誤というべきかもしれないが、タイムトラベルの箇所が面白い。未来へ行く方法としては、冷凍冬眠という手法を使い、過去に戻る方法は、おそらく量子力学のコペンハーゲン解釈と、シュレーディンガー方程式の波動関数を組み合わせたものを想定していると思う。なので過去へ戻ろうとすると、2分の1の確立で、さらに未来へ跳躍してしまうという、とんでもない設定なっている。もし自分なら、5割という確立で誤った時代に跳躍する方法は、決して試さないと思う。2016/01/02

zero1

586
【未来は過去にまさる】発明家のダンは、恋人に裏切られ仕事も失った。冷凍睡眠を検討する。30年後の2000年に目覚めた彼。タイムパラドックスなど映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」等のプロトタイプ。人間ドラマも読む価値あり。訳者の福島正実は私にとってSFの世界に導いた恩人。本書を「一番愛着を感ずる」とあとがきで述べている。SF好きでなくても推薦したい一冊を再読。読書は新たな扉を開けること。目の前の本を扉として夏につなげろ!昔飼っていた猫の名はこの作品にちなみピート。作品とは違いケンカが弱かった(泣)。2019/03/08

ちび\\\\٩( 'ω' )و ////

451
あの時ああしていれば人生は変わっていたのだろうか?こうしていればどういう展開になっていたのだろう?あの時あの人にちゃんと打ち明けていれば、未来は変わっていたのだろうか?行動したのが考えてから1カ月の誤差なら?1週間では?1日では?それともスグでは?それとも未来とは決定されていることなの?決まっている出来事なの?でも、僕は後悔したくない。もう後悔はしたくない。だから僕は扉を開ける。寒がりのピートがいつまでも探し続ける、探し求めている、あの夏への扉を一緒に。2018/12/20

青乃108号

408
昨夜から2日かけて延べ6時間をかけて読了。不遇な運命に嘆く主人公の夏への扉は冷凍睡眠とタイムスリップの複合で開かれ、主人公は自分の未来を自ら不眠不休の尽力により書き換え幸福を手にする。爽快で胸のすく物語。読んでいる間、俺はまるで俺の若かかりし日の夏休みに読書をしているかのような不思議な感覚を覚えた。俺が夏への扉を開ける事が出来たなら、大学生の夏休みあたりに行って1日中思う存分、本を読んでみたいものだ。2021/07/23

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