内容説明
ジェニー・ケイシー、パティ、リーアの3人は、最新鋭の恒星間宇宙船“モントリオール”で操舵士としての最終訓練を続けていた。すでに中国は地球人が移住可能な惑星を発見し、亜光速宇宙船を発進させている。さらに異星人の船団が地球へと向かっているらしい。カナダも必死で発進準備を進めるが、“モントリオール”には中国のスパイが潜入、さまざまな妨害・破壊活動を起こしていた!そのうえ中国船“黄帝”が突如…!?ローカス賞受賞。
著者等紹介
ベア,エリザベス[ベア,エリザベス][Bear,Elizabeth]
1971年、コネティカット州ハートフォードの生まれ。コネティカット大学で英文学と人類学を専攻するが中退。テクニカル・ライターをはじめとしてさまざまな職業を経たのち作家活動に入り、2005年にジョン・W・キャンベル最優秀新人賞を受賞。2006年に三部作『HAMMERED』『SCARDOWN』『WORLDWIRED』でローカス賞最優秀処女長篇部門を受賞した。いまアメリカSF界でもっとも注目されている若手作家のひとりである
月岡小穂[ツキオカサホ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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宇宙猫
22
★★★★最近、人類滅亡の話が続く。SFではメジャーなテーマだけど。この本では150年くらい時間があるため国家が熾烈な生存競争を起こし、登場人物たちが巻き込まれている。国や軍が当事者だけど、個人的な恨みからの行動も利用されてそこに収束していく。裏で糸を引くホームズ副社長とヴァレンズ大佐のやりてぶりが怖い。それを 猫のボリスが癒してくれる。もっと出番を!D2021/09/06
本の蟲
7
地球環境崩壊のカウントダウンが始まり、統合中国とカナダ両首脳部にも焦りが見える。カナダ軍に復帰し、異星人の技術を利用した恒星間宇宙船〈モントリオール〉の訓練を続けるジェニー。しかし統合中国はすでに別天地へ播種宇宙船を発進させ、恒星間宇宙船〈黄帝〉の航行もリードしている。ラストにはさらに第三勢力が現れるのだが…。二国間争いがメインになるのだが、中国側の意図が見えず、名前は出てくる他連合国家も全く存在感がないのが気になる2021/08/28
Xiebet
4
長い!でも、エンターテイメントとして良くできてる。キャラクターの造り込みも良いし、ストーリー展開も良い◎ 3部作でそれぞれ別のジャンルのSFを書いてるみたいで、作者の実力は素晴らしいのだろうなと、2作読んで思いました。映画化しても良い気がします。ただ、主人公の年齢は50代では無く、30代で!ww でもやっぱり長いよね。2013/07/18
鐵太郎
3
統一中国の戦略が、地球に対する浄化作戦として小惑星の落下となったとき、カタストロフが起こります。 生き残るのは誰か。 ジェニーとガブ、そしてエルスペスとの奇妙な三角関係、あたらしい疑似人格<アラン>、崩壊の一途をたどる地球環境。 お話はつぎつぎと進展します。 環境が激変した地球に、テラフォーミング(惑星の地球化改造)を行うと言う発想は、笑うべきか。 2008/10/02
如月魅冬
3
カナダと中国の宇宙開発競争が激化、悲劇的な事件へ。あらすじを読んだ時点では、恒星船が実現した状況で軌道上で争っても、と思っていたが、物語が加速して面白くなってきた。2011/07/03