内容説明
愛妻ラリーナの死に意気消沈するコルムを夜ごと襲う悪夢―だがそれこそ、コルムに助けを求める後世の人びとからの呼びかけであった!旧友ジャリーの忠告を受け、コルムはただひとり時を超えて旅立った。東の海の彼方からきた“フォイ・ミューア”という名の妖かしの民から、ラリーナの子孫であるマブデンを救うために!“銀の手”の公子コルムの新たなる冒険を描く『雄牛と槍』『雄羊と樫』『雄馬と剣』の3長篇を収録。
著者等紹介
斉藤伯好[サイトウハクコウ]
1935年生、2006年没。明治大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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p.p.
3
〈紅衣の公子コルム〉新版第2巻。ケルト神話を下敷きにしつつも、その豊富なモチーフをうまく使いこなしている。有名な神格・英雄を敢えてほとんど出さなかったのは懸命だ。妖精族が(一般のイメージに逆らって)巨人とされているのは、多分「若さの国のオシーン」が根拠。訳者にアイルランド語・ウェールズ語の知識があればよかったのだが。表面上の出来事に反して全体を悲劇的な調子が彩っており、あまりに唐突とも言える幕引に一層の説得力を与えている。巻末で解説されている、失われていく神話への郷愁を、ムアコックも描きたかったのだろう。2014/02/07
kuma-kichi
2
コルム、エルリックと同じ展開に。 ああ、ムアコックさん、バッドエンディング?好きなのねえ。2019/04/06
記憶喪失した男
1
「紅衣の公子コルム」全六巻で読んだのですが、こちらで登録します。後半の三巻は、なんと、コルム自身が神として召喚される展開ですね。そして、その果てにある結末。驚きました。冗長な作品だと思いますが、というか、途中何が起こって何と戦っているのかよくわからないけど、読んで損はなかった。でも、今からは読む必要はないかな。この後半の三巻は。
五城(Gojou)
1
中学生ぐらいに一度読んだのだから、25年ぶりぐらいの再読となりました。当時は、こう言うのがカッコイイと思っていたのですね。片目で義手なんて、中2がいかにも好きそうな設定で、やっぱり僕も厨2病患っていたかと、ある意味安心した。いや、健全健全。2011/06/17
リュウジさん。
1
北欧神話の叙事詩なんかを思わせる展開。切ない終わり方だが、ある意味美しはシリーズ随一だと思う。