内容説明
私立探偵モリスが依頼されたのは複製テクノロジーの大企業、ユニバーサル・キルンの研究者ヨシル・マハラル博士を捜すことだった。一カ月ちかく前に行方不明になったが、警察に捜索を依頼しても、らちがあかないというのだ。モリスは、グリーンやグレイの複製を駆使してマハラルの行方を捜しはじめる。だが、思いもよらぬ敵がモリスとその複製たちを待ちうけていた…近未来アメリカを舞台に描く傑作SFミステリ登場。
著者等紹介
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生、1980年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とらやん
4
特殊陶土で作ったハイテクゴーレムに、魂を転写出来る近未来の話し。そんなゴーレムを個人で簡単に持てる世界での、探偵物語。完全な2元論の行き着く先はほぼ想像出来るが、前半の躍動感にたいして後半失速したのは、僕の読み方が悪かったからかも。2023/08/21
詩歌
2
上巻で慣らしが済んだとばかりの急展開。引き込まれるぅ。あまりに面白いので、時間を置かずに再読。これがきっかけで知性化シリーズに手を出す。2014/03/20
Ai
1
人間の複製が、焼き物だなんて「あほか!(笑)」と思いながら読んだけど、探偵・アルバートが醸し出す軽妙なハードボイルド感、そして複製たちによる同時進行のパート展開が大変におもしろかったです。ユダヤのゴーレムや秦の始皇帝の兵馬俑など、昔から土くれでできた人形に、人間は特別な思いを抱いてきたのだから、それが複製になる日が来てもおかしくないかもしれない。意識や人格の定義をゆさぶってくるので、あなどれない作品でした。2016/04/11
キョウラン
1
バチガルピの「ねじまき少女」よりいいんじゃないかな?こういう未来社会ハードボイルドミステリ風な、サイバーパンクもの。読みやすく面白かったわ~。2011/12/30
いちみ
1
とにかくすげー面白かった。ただ、、、白人の色彩感覚とは相容れないなぁ、、、と実感(笑2008/09/24