内容説明
近未来のアメリカ、人々の生活は一変していた。画期的な新技術により、ついに人類のクローン作製が可能になったのだ。個人特有の定常波を利用して、陶土に意識をコピーし、ゴーレムと呼ばれる一日限定の複製を作る。機能別に色わけされた何体もの複製に仕事や勉学をやらせれば、作製者の原型は好きなことができるわけだ。そんな世界で、複製の違法コピー調査を得意とする私立探偵モリスが依頼された奇妙な誘拐事件とは…。
著者等紹介
ブリン,デイヴィッド[ブリン,デイヴィッド][Brin,David]
1950年、カリフォルニア州生まれのSF作家。カリフォルニア工科大学で天文学を、カリフォルニア大学サンディエゴ校で応用物理学を学び、同校で宇宙科学の博士号を取得している。ヒューズ航空研究所で技師や顧問をつとめ、サンディエゴ州立大学で物理学などを教えていたが、現在は作家専業。南カリフォルニアで妻と三人の子供とともに暮らしている。壮大なスケールで描かれる“知性化”シリーズの第一作『サンダイバー』で長篇デビュー、その後、第二作『スタータイド・ライジング』で、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞、『知性化戦争』で、ヒューゴー賞・ローカス賞・星雲賞を受賞した
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生、1980年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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詩歌
3
陶土で作るクローン制作、所謂ゴーレムが可能になった近未来。記憶を統合するので、ひとりが1日に複数の経験が可能。探偵にうってつけ。2014/03/20
Ai
1
下巻にまとめて記。2016/04/09
鐵太郎
1
デイヴィッド・ブリンといえば「知性化シリーズ」ですが、これはちょっと違う。イメージの違うブリンも、また楽しからずや、ですか。 「キルン KILN」とは、陶磁器を作るときに使う窯のことです。窯をなにに使うのでしょう? 実はこの本は、未来の私立探偵によるハードボイルドなのです。でも、単なる未来の探偵ものではない。なんでェ、といいたくなるような展開の連続です。2008/01/26
やきとり
0
面白い!私立探偵がゴーレム(複製のこと)を沢山作っていろいろ調査させるという、簡単に言ってしまえばそのような話なのだが、描き込まれている世界が細部に渡っており、複製ができたことによる労働問題や複製への人権問題、違法コピー、戦争のスポーツ化などなど数え上げたらキリがないほど多岐にわたって社会背景が描き込まれている。そういった背景情報がぎっしりと詰まっているので話がなかなか進まないという弊害はありますが、楽しみならが下巻へ。 2007/08/05
JACK
0
アイディアは面白いし、ゴーレムの苦悩などは魅力的なテーマだ。しかし、描写がくどいし、物語の進行が遅く、読んでいてつらい。複数のゴーレムの物語が並行して語られるので分かりにくい点もマイナス。物語としても難解な上に面白くない・・・。2010/02/15