ハヤカワ文庫
シンギュラリティ・スカイ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 543p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150115678
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

「わたしたちを楽しませてくれますか?」ある朝、新共和国の辺境惑星ロヒャルツ・ワールドに降りそそいだ携帯電話から聞こえてきた不思議な声は、住民の語る「物語」と引き換えに、3つの願いをかなえはじめた…お金、自転車、家、核融合爆弾…それがどんな願いでも。かくて惑星社会は大混乱に。この事態を「侵略」と決めつけた新共和国皇帝は、ただちに攻撃艦隊の派遣を決定したが…。英国SF期待の新星が放つ衝撃作。

著者等紹介

ストロス,チャールズ[ストロス,チャールズ][Stross,Charles]
1964年、イギリスのウェスト・ヨークシャー州リーズに生まれる。現在はスコットランドのエジンバラに妻とともに在住。ロンドン大学で薬学の学位を取得し薬剤師として働きはじめたが、ブラッドフォード大学に再入学しコンピュータ科学を学んだ。卒業後はプログラマーやテクニカル・ライターやLINUXとオープンソース・ソフトウェアを専門とするフリーライターとして働いた。幼いころからSF作家をめざしていたが、1986年イギリスのSF専門誌インターゾーンで短篇デビュー。2003年、アメリカのエース・ブックスから刊行された『シンギュラリティ・スカイ』で長篇デビューを飾る。処女作にもかかわらず、ヒューゴー賞、ローカス賞の候補作となった。以来、精力的な執筆活動を続け、2005年中篇“The Concrete Jungle”でヒューゴー賞を受賞。発表した長篇作品のほとんどがなんらかの賞の候補作となっている

金子浩[カネコヒロシ]
1959年生、早稲田大学政治経済学部中退、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

46
途中下車(笑)ところどころ、抱腹絶倒のシーン(老提督を戦場に担ぎ出したくない皇帝と伯爵の会話や准将がやむにやまれず老提督をスカウトにいくシーン)やロマンスシーンが絶妙の面白さで入ってくる。絶妙というのが同じ物語のなかで展開しているセンスの次元が違うので笑えてしまうし、奇妙でもある。2015/05/17

かとめくん

19
辺境惑星で起きた侵略行為は、空から携帯電話が降り注ぎ、意図的に近代化を遅らせてきた田舎に突如最新鋭の文明の利器を希望に沿って配布するという奇妙なスタイルだった。これを好機ととらえ、現支配体制を転覆させようとする勢力や、尻馬に乗ろうとする住民や兵士。どちらにしろ大混乱だ。混乱を収めるため、艦隊が出撃するが、こちらもいろいろな思惑がらみで一筋縄ではいかない。惑星側の状況と艦隊側の状況が並行して語られ、終盤で会いまみえる。2017/02/27

jojou

7
新共和国の辺境に大量の電話が降りそそぎ、「わたしたちを楽しませてくれますか?」の声と共に住民の願いを叶え始めるという、どこか神秘的な装いのある冒頭は抜群によい。 その後は冒頭からイメージされる雰囲気はさほどないものの、スパイ、ロマンス、ミリタリーなどの多様なストーリー的要素があるほか、社会主義の革命家や、因果律侵犯を禁ずる超AI、文明を批評する気味の悪い異星人などなどが登場して、飽きずに楽しめる。ややこしい箇所も多かったが、ふつうに面白かった。2021/11/29

duzzmundo

5
勝手にキブスン的なイメージを持って読みはじめたら、意外とスペースオペラ的な要素もあり、思ったより読みやすかった。新共和国に当然訪れた情報収集文明「フェスティヴァル」とは何なのか? 最後までよくわからないところはあるものの、なかなかおもしろかったので続編もいずれ読もうと思います。2019/08/15

roughfractus02

5
作者のデビュー作はスペースオペラをまとう伝統的なスラップスティック小説であり、そこにはドタバタと笑いによって既成の秩序を転倒し、権威を格下げする革命への意志が織り込まれている(M・バフチンのラブレー論等を参照)。シンギュラリティが到来し、AI知性エシャトンが人類を地球から9割以上追放した200年後、ネットワークの拡大する宇宙で、平和ボケした新共和国と情報生命体フェスティヴァルのと関係は、今世紀初めのマスメディアとフリーウェア運動の対立を寓意させ、サイバースペースを自由と革命の場と見なす作者の信念が窺える。2019/05/12

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