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ハヤカワ文庫
ペイチェック―ディック作品集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 575p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150114688
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ジェニングズは数年間、ある会社のために働いていた。その間の記憶は失われてしまうものの、巨額の報酬を受け取るはずだった。だが、報酬として受け取ったのは、ガラクタ同然の物ばかり。記憶を失う前に、それらのガラクタを大金のかわりに受け取るという契約書にサインしていたのだ。いったい自分は何を考えていたのか…ジェニングズは失われた記憶を求める冒険をはじめた!映画化された表題作など、傑作12篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

57
この本自体は初めて読むのだが、収録作はすべて再録なこともあり全編既読。べつの短編集の表題作など、名作どころが多く収録されているので初めてディックの短編集を読むのに向いてる。「ジョンの世界」や「待機員」の相互関係にある他の短編は収録されていないし、個人的には他にもっと好きな短編があるので必ずしもそうとは言えないのだけど、ベストオブベストな一冊がないディックの短編集のなかでは案外これがそれに一番近いのかもしれない。表題作や「たそがれの朝食」「自動工場」「まだ人間じゃない」など大好きな作品も多数。2020/07/17

ニミッツクラス

11
04年の税抜940円の初版。収録作品12編は全て邦訳され、書籍として刊行済み。今更の感があるが、同年にGollancz刊の同名書が出たので早川が速攻でツバ付けたのか。これは13編収録で、その中の「おもちゃの戦争」が早川版に未収録。表題作はジョン・ウーの同名映画の元ネタで、浅倉氏訳「報酬」の改題となる。「たそがれの朝食」は仁賀氏訳「薄明の朝食」の新訳。「まだ人間じゃない」は若島氏訳「人間以前」として14年に新訳された。お馴染み過ぎる「父さんもどき」は6つの題名があり、概ね大森氏か仁賀氏訳となる。★★★★☆☆2018/03/01

ぎん

11
もし著者が居なかったとして、同様の話を現在ぽっと出の新人が書いたとしたら、評価されることは無いだろう。(当時も著者の死後評価された訳だが)しかしこの時代になってもまだそう感じられるという事は、未だ彼の抱いた未来を我々が追い越せていない事に他ならない。一見無理矢理のように感じられるラストも、そこには必ず意図があり、意味がある。それを知った時我々は、過去の人物が未来を見せ現在を糾弾することの恐怖を目の当たりにする事になるのだ。2015/11/19

hikarunoir

8
映画ももちろんだったが表題作の徹底した娯楽志向に驚く。あと意外にも「四畳半SL紀行」の元ネタにまで遭遇でき嬉しい。そこそこバラエティに富む中編12編。2018/11/16

東森久利斗

4
「ペイチェック」映画化にあわせて日本独自で編纂されたベスト・オブ・ベストな短編集。映画は可もなく不可もなし、典型的なハリウッドテイストな出来栄えだが、本書は、あらためて説明や解説など不要、多岐にわたるディックワールドを体感するには最適、ディック入門書と言っても過言ではない一冊。「小さな町」、「まだ人間じゃない」がベスト。2020/11/20

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