内容説明
“時間の墓標”から現われる救世主の名はアイネイアー、12歳の少女だという。彼女こそサイリーナス老人のかつての巡礼仲間、女探偵レイミアの一人娘なのだ。だがその頃“時間の墓標”には教会の支配を脅かす存在となりうるアイネイアーを捕らえんと、パクスの大軍が集結しつつあった!老人から託されたホーキング絨毯を駆り、エンディミオンは旅立つ。少女アイネイアーをパクスの魔手から救いだし、守りぬくために…。
著者等紹介
シモンズ,ダン[シモンズ,ダン][Simmons,Dan]
1948年生まれ。教鞭をとりながら創作をはじめ、トワイライト・ゾーン誌のコンテストで一席に入選した短篇「黄泉の川が逆流する」でデビュー。処女長篇『カーリーの歌』(1985)で世界幻想文学大賞を受賞、その後も精力的に作品を発表しつづけている。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作『ハイペリオン』(1989)、英国SF協会賞・ローカス賞受賞作『ハイペリオンの没落』(1990)、『エンディミオン』(1996)、ローカス賞受賞作『エンディミオンの覚醒』(1997)は、四部作をなしており、1990年代を代表するSFとして読者の圧倒的な支持を獲得した
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生、1980年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akira
29
ハイペリオンシリーズ第6段。 思わず声が出てしまうような結末。最後にこんな展開とは…。エンディミオンの覚醒で、この物語は続くのだろうか。そもそも、エンディミオンが覚醒?…行くしかない。 上巻から続く逃亡する者たちと追跡するものたち。冒険活劇はさらに輝きを増し、読者は三人と共に、数々の世界を経験することになる。 あまりにも予想外の結末。恐るべき脅威。そして、さらに謎を呼ぶシュライクの存在。彼女が思わず口にした本音は、何を意味するのか。 「ここがどこでいつなのか、わすれちゃったの」 2014/04/24
ふりや
21
筏で川下りをしながら様々な惑星へ転位していくエンディミオン一行、ワープする度に死んで甦るを繰り返すデ・ソヤ神父率いるパクス軍。双方による壮大なスケールの「宇宙鬼ごっこ」両者の視点から交互に物語が展開されますが、微妙に時間軸をずらすことによって追いかけっこのハラハラ感が増しています。最後はパクスの謎の女戦士とシュライクを交えたバトル。『虎よ、虎よ!』から『ターミネーター』新しいところだと『三体』も彷彿とさせるような緊迫感ある戦闘シーン。明快な冒険譚として楽しめました。このまま『覚醒』も読もうと思います。2020/05/31
Small World
15
そして、主人公トリオの旅は続く、激流や大海原、氷の世界など、ゲートを抜ける度に現れる新たな世界! しかも乗り物は「筏」という... なかなか楽しい冒険譚でした。旅をしながら「ハイペリオン二部作」の解釈が進むはずなんですが、あれ?、なんか謎が深まっていくばかりじゃないですか... やっぱり最終作を読まずにはいられないんですよね。2022/09/29
k16
14
20110613読了。 追う者と追われる者それぞれの視点で進行していく物語がスリリング。 追う側視点がどうして書けるのかなと思っていたらデ・ソヤ神父・・なるほど。 1部、2部に比べて読みやすくわかりやすくてよかった。 しかしまだまだこれからだ。覚醒読まねば。2011/06/13
たこのまくら
13
デ・ソヤ神父大佐、下巻登場時ですでに8回死んでます。一方でロールくんも死の一歩手前くらいの重傷を負いつつの川下り。こちらは一度死んだら後がない。がんばれロール・エンディミオン。読者に懐かしさを感じさせる川下りの旅もいよいよ最終目的地へ。羅刹女(すごいネーミング)の登場によりデ・ソヤはどう動く?そして復活の兆しを見せる例の存在は?2017/10/22