内容説明
連邦の崩壊から三百年あまり、人類はカトリック教会、パクスの神権政治のもとに統べられていた。惑星ハイペリオンの狩猟ガイド、青年エンディミオンはパクス法廷により冤罪で処刑される直前、一人の老人に命を救われた。なんと老人はかつてのハイペリオン巡礼者、詩人サイリーナスだった!老人は、まもなく開く“時間の墓標”から現われる救世主を守ってほしいと彼に依頼してくるが…傑作SF叙事詩、堂々の第三部。
著者等紹介
シモンズ,ダン[シモンズ,ダン][Simmons,Dan]
1948年生まれ。教鞭をとりながら創作をはじめ、トワイライト・ゾーン誌のコンテストで一席に入選した短篇「黄泉の川が逆流する」でデビュー。処女長篇『カーリーの歌』(1985)で世界幻想文学大賞を受賞、その後も精力的に作品を発表しつづけている。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作『ハイペリオン』(1989)、英国SF協会賞・ローカス賞受賞作『ハイペリオンの没落』(1990)、『エンディミオン』(1996)、ローカス賞受賞作『エンディミオンの覚醒』(1997)は、四部作をなしており、1990年代を代表するSFとして読者の圧倒的な支持を獲得した
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生、1980年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akira
21
ハイペリオンシリーズ第5段。 新章。前作からは約300年後の世界。世界観を同じくして始まる物語に、心が躍る。 かの地、エンディミオンの名を冠した謎の青年。巡礼者の一人、詩人サイリーナス。そして巡礼者ブローン・レイミアの娘、アイネイアー。旅は彼女との邂逅からはじまる。艦隊SFに冒険活劇と、これまでになかった趣向も面白かった。 キーとなる一人の少女。次第に、いくつかの天賦の片鱗を見せ始める。彼女が追われる理由は何か。そして、未だ謎の多いシュライクとは。 「アイネイアーよ。時の孤児といったところね」2014/04/13
Small World
16
分厚いシリーズなんで、いつ読み始めようかと悩んでいた「エンディミオン」を手に取ってしまいました! 時代がかなり経っていて、「ハイペリオン」の頃とはだいぶ変容してるみたいなんですが、由緒正しきサバイバル物を読んでる感じで楽しいですw さて、この冒険がどこにたどり着くのか、イヤッホーって言いながら下巻に進みます!2022/09/24
ふりや
16
『ハイペリオン』の巡礼者たちの物語が伝説として語り継がれている、300年後の世界。巡礼の生き残りであるサイリーナスが主人公であるロール・エンディミオンと出合い、「救世主」と呼ばれる少女を救うようにと依頼する…『ハイペリオン』とはやや趣向が異なるものの、今のところ「深く考えずに楽しめる冒険活劇SF」という感じで面白いです。エンディミオンとアイネイアー、ベティックの3人の冒険とやり取りにはワクワクします。領事を乗せていた宇宙船の謎、アイネイアーを追う「パクス」の軍隊など、今後の展開が気になりつつ下巻へ!2020/05/29
k16
14
20110605読了。 前作、前々作に続く「ハイペリオン」シリーズではあるが前作から3世紀後の話。 無実の死刑囚と「時間の墓標」から戻ってくる少女、そしてアンドロイドの旅・・前編 面白いよ。 空飛ぶ絨毯だったり、筏だったり・・カバーイラストのまんまです。 あー宇宙船の名前が欲しいところ。「ラジェンドラ」とかどう? さぁ下巻、下巻。2011/06/05
たこのまくら
14
パクスの台頭により生と死の境があいまいになった世界で、死と復活を繰り返しながら主人公達を追い続ける従順で生真面目な追跡者、デ・ソヤ神父大佐。パクスを脅かす存在と言われるターゲット、アイネイアーの行く末を心配したりするその人の良さに感情移入してしまうのです。さて上巻ではまだ3回しか死んでいない彼だが、下巻では何度死にそして何度復活することやら…。2017/09/24