内容説明
探査宇宙船スタープレックス号は地球人とイルカ、六本足のウォルダフード族と統合生命体のイブ族という異星人の乗組員を乗せ、旅立った。建造者も建造目的も不明ながら、瞬間移動を可能にする謎の通路を使って、銀河系のさまざまな未知宙域を探険するのだ。異種族混合の乗務員を率いる宇宙船の指輝官キースが、壮大なる旅路の果てにつきとめた銀河創成の秘密とは…?ネビュラ賞作家のソウヤーが描く、驚異の冒険SF。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
詩歌
15
イルカの操縦士とロンバスは魅力的。赤ん坊と動物の人気の鉄板。キースは私より公を優先する我慢強い性格だ、と何度も念を押されるけど、日本なら彼の立場でああいう言動にでるなど考えられず、不快なくらい。事件後、国連と人間政府の代表者の復讐心も同じ。以前読んだ「国連施設のすぐ側に戦死者墓碑を建てればいいのに」という名案が、小波のように打ち寄せてくる。SFは"今"と"未来"の比較に生じるけど、"今"の部分に違和感。転機が訪れる巻末になるまで、もやもやを突き抜けるお楽しみはお預け。2014/12/13
やすお
13
読みはじめはなぜか時間がかかった。登場人物(登場生物?)の姿などを理解するのに手間取ったからだろう。最初の50ページを過ぎたら、いつものソウヤー作品のように、ぐいぐいと読み進められた。内容は、ソウヤー版のスタートレックと言われるが、宇宙を舞台にした冒険だけではない。ダークマター(暗黒物質)の謎などをソウヤー流に解決しているミステリー的要素もふんだんだ。そして物語の最後には、とんでもないスケールのネタが仕込まれており、荒唐無稽ながらリアリティがある不思議な感覚に陥る。結局ものすごく楽しめた作品だった。2017/09/13
おーすが
8
スタープレックス号の艦長キース・ランシングは異星人クルーと共に宇宙探索へ旅立つ。しかし、宙域をつなぐショートカットから謎の恒星が現れて…。スタトレ風のハードSF。ダークマターの正体と渦状銀河の説明、そこから宇宙の寿命まで話が広がる。壮大な割に主人公はめちゃくちゃ普通のおじさん、ってとこがいいやら悪いやら。イルカかわいい。2021/07/29
色々甚平
8
なぜか読み切るまでに一年近くかかってしまった。壮大すぎるほどのSF。イメージはスタートレック。量子力学や熱力学の話をされてもちんぷんかんぷんなのだが種族間の話などは少し苦労するだけで読める。ネビュラ賞候補作品になっていたらしい。再読するときはできるだけ短期間で読むように心がけよう。2018/01/22
ニミッツクラス
8
ソウヤーは良いね。週末にのんびりとと読み始めた本書、意に反して一気に読んでしまった。SFネタ、特盛りで得盛り。話を分ければ、数冊、別の本が書けるよ。コアな人にもオペラが好きな人にも楽しめる究極の一冊。誉めすぎかな。★★★★★★2011/07/09