内容説明
惑星ソラリアから人間が消え失せた。無数のロボットを残して、ソラリア人はいったいどこへ行ったのか?しかも、その調査のためソラリアに着陸した二隻の宇宙船は何者から破壊されてしまったのだ。そこで、新たに派遣される調査隊には、ソラリア生まれのグレディアが同行するように要請された。彼女は、ロボットのダニールらとともにソラリアをめざしたが…「銀河帝国興亡史」とロボット・シリーズをつなぐ話題の長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジロリン
16
アシモフの二つの未来史、「鋼鉄都市」シリーズのロボットに満ち溢れた世界と、ロボットというものが全く存在しない「銀河帝国」の世界。全く違う様相を呈す世界が成立するまでに、人類が宇宙に拡散する過程で何があったのか?その「ミッシングリング」を解き明かす物語…なのだが、実はこれで終わらず、まだまだ続巻があり(笑)最後はアッと驚く結末。アシモフの推理的手法を用いた壮大なSFが存分に楽しめます。が…長い!この上巻で「事件」らしきものが起きるのは殆ど終盤w それでも全く飽きることなく読み進めます。2015/11/13
ミネ吉
10
上巻のみの感想。「夜明けのロボット」の続編で、ダニール、ジスカルド、グレディアなどおなじみのキャラが登場。これまでと異なるのは、ベイリが亡くなってから160年後の世界を描いていること。グレディアは230歳!前作で異星への植民を始めた子孫の間で、ベイリは既に歴史上の偉大なご先祖様となっているが、当時を知るグレディアの、そしてダニールの思い出にも特別に深く刻まれている。前作までのファンである私としては、この設定だけでいとも容易く胸が熱くなり、涙腺が緩む。当然次巻へ。2024/03/22
ホームズ
9
やっぱりベイリが死んでしまっているのが寂しいですね。グレディアとの最後の別れ、ダニールとの別れが寂しくって泣きそうになってしまった(笑)ダニールの「フレンド・イライジャ」は・・・。ヤッパリ面白いですねこのシリーズは(笑)まだ陰謀的な話が出てきていないけど先が楽しみだ(笑)「銀河帝国興亡史」も買わないとな~(笑)2010/09/03
roughfractus02
5
ロボット・シリーズとファウンデーション・シリーズが本書で統合される時、ロボット3原則と心理歴史学はどうやって統合するのか?この難問が物語上の人物やロボットに課せされ、物語はすでにミステリではない。ベイリ亡き後2世紀、長寿命のスペーサーと地球人の対立の中でロボットのダニールとジスカルドは、3原則の改変を仄めかす出来事の頻発に悩み、互いに孤絶して生きるソラリアでベイリと出会ったグレディアは、細菌やウィルスより感情こそ集団に感染することを理解する。ロボットも人間も「人類」なる集団を各々の側で発見つつあるようだ。2018/11/25
shiro
5
イライジャ没後のダニールとジスカルドの話。ダニールとイライジャの別れのシーンには目が潤まずにはいられない。ソラリア人たちの動向も気になる。グレディアの演説は読んでいるこちらにもどんどん響いてくるとても説得力のあるものだった。2014/08/23