内容説明
時間の堆積した石灰岩の台地に、年老いた煙突岩がひとつ。そこでは奇妙な絵文字の刻まれた石がつぎつぎに発見され、学者の論議を呼んでいた。絵文字はいつも「つづく」で終わり、そのとおりまた次の石が発見される。そして最後の石が見つかった時、調査隊に何が起こったのか…?悪夢と笑いに溢れた表題作をはじめ、16篇を収録。SF界のホラ吹きおじさんラファティが語る、底抜けにおかしくて風変わりな物語の数々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sputnik|jiu
12
あとがきで伊藤典夫氏が書いている通り、これは単にSF小説というよりは、「ほら話」の類であり、もはや「ラファティ」という読み物だ。宇宙冒険譚やなんちゃってサイバーパンク、民俗伝承もどきなど、物語は自由に跳び回る。時に眩暈を催すような饒舌さと、読者のもっている「物語かくあるべき」みたいな概念を絶妙に脱文脈していて、それはもう、楽しい読書だった。2012/11/26
Sleipnirie
4
変な世界で起きるとてもおかしなできごと。 皮肉とブラックユーモアがかがやいている。 『物語はこうあるべき』とガチガチに思ってる人を笑い飛ばす物語がいっぱい。2013/05/31
funa1g
4
久しぶりにラファティを読んだが、記憶よりロマンチックであり、かつ理知的。神話やホラ話的であると言われるけど、語るべき話を語るためにこの形式を選択しているだけなのではないかと思った。2012/10/14
きっしょう
4
皮肉とユーモアと残酷さと切なさが同居しているバカバカしい物語を語らせたらラファティの右に出る者はいないと、つくづく思う。2012/09/27
ニミッツクラス
3
96年の初版(700円)を読んだ。著者の2冊目の短編集で、掲載順は初出順ではなく、初出一覧は巻末にある。巻頭一発目の「レインバード」には、シニア世代としては目頭が熱くなる。不老長寿と人生のやり直しは別物だから、どちらが意義深いだろう。ファーストコンタクト物の「問答無量」・・こんな展開もありなのか。「超絶の虎」は翻訳の苦労が判る。「むかしアラネアで」「豊穣世界」は舞台が近い。いっそのこと連作にして欲しかった。概して、途中まで面白そうなネタで良い線で進むのだが、結末が意味不明になって微妙な作品群。★★★☆☆☆2015/06/14