ハヤカワ文庫<br> アインシュタイン交点

ハヤカワ文庫
アインシュタイン交点

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150111489
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

遠未来の地球。人類はいずこへか消え失せ、代わりに住みついた異星生物が懸命に文明を再建しようとしていた。ロービーは人の心を音楽で奏でることができる不思議な青年。恋人の死を契機に旅に出た彼は古代のコンピュータ、ドラゴン使い、海から来た暗殺者など様々な存在との出会いを経て、世界の大いなる謎を解き明かしてゆく…幾層ものメタファーやシンボルを重ねて華麗な神話宇宙を構築し、ネビュラ賞に輝く幻の名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

256
原文がそもそもそういったスタイルなのか。訳文はライトノヴェル・サブカルチャー文体(私がそう呼んでみただけで、そのような実態があるわけではない。たぶん)。作中の会話は、登場人物同士は対話が成立しているようなのだが、私から見れば、さっぱり噛み合っているようには見えない。プロットの展開と物語の世界構造は、しいて言えばニュー・スペースオペラといった趣きか。これでは、またしても誤読と言われそうだ。他の人のレビューも読んでみたが、ヘラジカさんやakiさん、白義さんのように高く評価できる人には羨望の思いを抱くばかり。2016/02/28

ケイ

111
この時代のSFには核への恐怖が如実に出ている。アインシュタインの後。DNAの破壊された後。世界は、人類はどうなるか。似ているが非なる者達が現れ、次第に変容し、彼らの物語が必要になった時、神話の世界が必要とされる。形が変容しても、命あれば恋をし、他者を愛する。それを失った時、その者はどうするのか。全てをやり直せるとしたら、その者はどういった存在になるのか。keyの1つは音で声で音楽。それを感じられるかい?の問い。読後に作者が黒人だと知って、そのメッセージがさらに届いてきたように思えた。絆について考えた。2017/04/06

NAO

81
はるか遠い未来の話なのだが、この話の根底にあるのは、ジェームズ・ジョイスの『フェネガンス・ウェイク』とギリシャ神話だ。(『フェネガンス・ウェイク』も、ジョイス流のアイルランドの神話といってもいい)さらには、キリストの象徴らしき人物も現れ、さらにはビートルズや20世紀のロック音楽まで絡んでくると、なんだか、何でもかんでも盛り込んだという感じがしないでもない。2019/09/09

扉のこちら側

81
2016年1098冊め。【247/G1000】3万年先の未来が舞台で、ヤギを飼って生活しているのはどうやら人間ではないらしい。ただ気候変動とか遺伝子操作とかで変異した人間だとも思えなくもない。作中に挿入される作者の日記からすると主人公=作者の投影か? キリスト教神話にハリウッド神話も混じっていて、私にはなかなか理解が難しかった。原題のFabulous, Formless Darknessの方が内容を表している。2016/12/17

GaGa

39
ディレイニーは「バベルー17」しか読んでおらず、スぺオペ系の人かと思っていたら、ニューウェーブの一人に数えられていたとは全く知らんかった(笑)本作よりも巻末にある伊藤典夫氏の「メイキング」が面白く読めたのは少し皮肉な話か?翻訳者もいろいろ挑戦を続けているのだなあと。2012/02/22

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