内容説明
ルジタニア粛清艦隊はどこに消えたのか。中国系の植民星パスで神の声を聞く者として人々の尊敬を集めているハン・フェイツーはひとり娘ハン・チンジャオに専門家でさえ解明できない謎を解くように命じた。だが、それは親子の運命を変える恐るべき難問だった…ヒューゴー賞とネビュラ賞を２年連続受賞した傑作『エンダーのゲーム』『死者の代弁者』のカードが、壮大なスケールと前代未聞のアイディアで描く長篇ＳＦ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
烟々羅
8
週末に早川の電子書籍が安くて、迷ったすえに読んでいない気がすると購入。読んでいた。なぜ読んだことに気づかなかったかと思えば、新たに発生したふたつの問題に決着をつけず、ここで終わっているからか。 登場人物の葛藤や状況が読者の心を引っ掻いて苛々するという意味で、普遍的な良作。同時に読んだことを忘れたくなる理由、忘れていた理由もそこだろう。2018/09/26
どんまいシリル
6
ようやく、「エンダーの子どもたち」を読んだ時の違和感が、解消されたので良かった。さて、こうして新たな頭痛の種を生み出してしまったエンダーは、幸せになれるだろうか…と続くと、テンション上がるのだが。もう1回、「エンダーの子どもたち」を借りようかな。2016/04/05
W.T.R.
4
とことん切ない。リコラーダの生成の過程で自ら生み出してしまったピーターともう一人のヴァルの登場で、最後の最後まで自らの魂の二面性の悩みから解放されないエンダー。そして、愛する父と召使の変心にもかかわらず、あまりに忠実に神がみに献身するチンジャオ。心が痛い。痛いがそれだけに美しい。だから好きなんだろうな。2014/05/17
VAVA
4
面白かった。異類皆殺し、この単語がエンダーのゲームから続くこの物語を総括する言葉だったように思う。類稀な能力を持ちながら天使の優しさと悪魔の非情さを持つエンダー。老齢に至るまで彼の人生に長くまとわりついた戦闘と虐殺の影は最後まで彼を生かし、そして孤立させた。傑作。2013/02/27
ほたぴょん
4
遙か彼方から刻々と惑星の全住民を粛清するために近づく粛清艦隊。惑星の全住民が保菌している殺人ウイルスのために脱出も難しいのだが、原住民であるペケニーノの間には自ら保菌したまま脱出しようという機運が広がり人類との衝突が起きる。一方、エンダーたちの最大の協力者であるアンシブル生命体ジェインも死の危機に。広げに広げた風呂敷でしたが、どうにか形のつくところまで畳んでのけたカードの体力には溜息が出る。どのようにして超光速移動が可能になるかの討論など、形而上学的な話が続く場面は目がちかちかしましたが。2011/02/23
