ハヤカワ文庫<br> ブルー・シャンペン

ハヤカワ文庫
ブルー・シャンペン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 527p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150110710
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

精緻な金細工や宝石で飾られた人工骨格〈黄金のジプシー〉。宇宙にただ一台しかないこの夢の機械を装着した時から、少女メガンの人生は一変した。四肢麻痺患者として孤独な生活を送ってきた彼女が、自由に跳ねまわれるようになったばかりか、一躍世界的な人気スターとなったのだ。だが、その代償は、とびきり苦いものだった…表題作をはじめ、世界のSF各賞に輝いた名品6篇を収録する人気作家ヴァーリイの傑作短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

364
読友の方からのお薦めもあり、また読書メーターのレビューでの評価も頗る高いのだが、私は残念ながら訳文の日本語の軽いというよりは軽薄な文体に辟易してしまってヴァーリィのSF世界を楽しむことができなかった。特に言えば、「ブルー・シャンペン」のシリーズ。訳者の浅倉久志はディックの『アンドロイドは…』の時には、違和感を感じることはなかったのだが。巻頭の「プッシャー」と巻末の"PRESS ENTER"の訳文はまだしもであったので、これらは一応は精読できた。それでも、これがヒューゴー賞なのかと思う。⇒2019/12/13

催涙雨

52
表題作である「ブルー・シャンペン」とその続編にあたる「タンゴ・チャーリーとフォックストロット・ロミオ」はどちらも読後、強烈な寂しさの伴う独特な脱力感を与える。表題作に登場するバブルやボディーガイド、体験テープなどのSF的ガジェットはこの作品にとって非常に大切なものになっていて、メロドラマとしての悲喜劇、そしてその結末まですべてのトリガーに位置する。人間としての恋慕、そして人間として生きること。こういったままならない情感、人としての性をSF的手法でしか表現できない形で仕上げたすばらしい作品。「タンゴ」のほう2019/12/07

里愛乍

26
ヴァーリイ初読本短篇集。どの作品をとってもすごく女の子が魅力的に描かれてるなぁという印象を受けました。少女と中年男とか、少女と犬なんて最高に絵になる組み合わせじゃないですか。SF設定もだけど何より登場人物たちの関係性やその会話に惹かれました。2014/12/01

亮人

22
自分的には、初っ端の「プッシャー」のロリコンに全てを持っていかれた!ウラシマ効果をロマンチックな恋愛に使うのはよく見るが、ロリコンでしかもいい話に持っていくとは感嘆!残りの作品も一応佳作ぞろいだった。表題作のプールの幻想性もよかったし。「選択の自由」のイーガンばりのジェンダー論も現代にも通じるし。2013/09/02

アプネア

21
サイバーパンクの先駆けとも言われるヴァーリイのSF短編集。エロティックでウィットに富み、スタイリッシュでそこはかとない教養を感じさせる、教養のない私の言葉で語るなら「マジ、サイコー!」・・・ 時間漂流者・四肢麻痺者・性転換者・社会不適合者など社会の主流から外れた者達の孤独、哀切な訴えが心に染みわたる。なかでも性的描写が多いのは、寄る辺のない心の隙間を埋めるためであり、そんな人の世の無常、虚しいあがきを表現しているのかもしれない。お気に入りは「タンゴチャーリーと~」ラストが身震いするほど秀逸。お洒落だな~2018/02/10

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