ハヤカワ文庫<br> 百万年の船〈3〉

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ハヤカワ文庫
百万年の船〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150110475
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

3000年以上を生きてきたハンノはさまざまな偽名を駆使して世界的な企業を経営し、その情報網を使って各地に隠れひそむ不老不死の仲間を集めようとしていた。さらには不老不死の秘密を解明するために研究所を設立する。だが、ハンノの正体に不審をいだいたアメリカの上院議員モリアーティが、ハンノの身元調査を始めていた。新たなる世界を探し求める不老不死の人々の波乱にみちた冒険を、巨匠が雄大に描く傑作、堂々完結。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ニミッツクラス

28
94年(平成6年)の税抜621円の青背初版。米89年の底本を本邦で3分冊した最終巻でひと月毎の刊行。初巻と比べて120円高いが頁数も多い。加藤氏のカバーは全巻で一幅となり、背景の変化で時の流れを描く。本書の最終章(第19部)はまさにアンダースンの真骨頂…この章だけでも航宙SF一冊になり、光速を超えない点では宇宙の鉄砲玉「タウ・ゼロ」(70年)を彷彿とさせる。主題だった不老不死案件もナノテク医療の長足の進歩で解決(第18部までよくぞ引っ張ったものだ)。先天性の不死人8人は呉越同舟で宇宙へ旅立つ。★★★★☆☆2023/04/28

鐵太郎

18
アンダースンの描く長命人たちは、数百年、数千年の歳月を積み重ねていますが、決して社会のリーダーではない。未来への揺るぎない視点と高い公徳心を持って人類に正しい判断を与える賢者ではない。長命が彼らにもたらしたものは、幸福ばかりではないものです。しかし同時に、アンダースンは長命が不幸、永遠の重荷であるとも言いません。ここが、長命や永遠に生きる人々をテーマにしたSFの中で特筆すべきところか。欠点はいくつかあるものの、これはよい歴史SFであり、未来への新しい展望のひとつであると思います。 3/32011/07/16

JACK

17
○ 紀元前から3000年以上に渡る不老不死の人々を描くSF群像劇。この巻では1975年と、彼らが他の惑星を目指す遥かな未来が描かれる。彼らの船は宇宙空間を飛びながら資源を回収し、船内の物質も原子レベルで再構築して何でも作れる。長い旅路も不老不死の彼らならば耐えられる。興味深い設定でしたが、人間関係のゴタゴタを延々と描くので退屈してしまい、SFとしての物語が楽しめなかった。物語を描くために都合が良い登場人物を作るのではなく、登場人物を物語にはめ込んだ印象。その点は真面目だが、物語の阻害要因に感じてしまった。2020/05/04

つるら@turulaJB

11
3/3読了(再読)■岡部宏之訳 早川書房1994.1 原著1989■世に稀に生まれてくる不死人の終わりのない旅■第3巻は1975年の第18部と年代不明の未来を描いた第19部の2部のみ■結末が予期していたものと違っていてびっくり。よくよく考えて見たらホールドマン作品の結末と混同していた模様。該当作を再確認しないと本当のところはわからないけど。記憶力には自信がないので小説の再読も新鮮な気持ちで楽しめます。■18部の主人公のある行動が非常に軽率で彼らしくないんだけど、そこはドラマづくりのため仕方ないのかな。2022/07/28

スターライト

4
3冊合計で千ページを超える分量だが、決して長すぎることはない。同じような不死人のエピソードが続くが、時代も舞台となる国も違うので、あまりだれることなくページを繰って読み進めることができる。ただ注意しないと、同一人物が名前を違えて登場し、新たなエピソードが語られる個所もあるので、読者は面食らうかもしれない。2010/01/31

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