内容説明
死刑囚カランドラを伴って惑星ソリテアを脱出したベネダーは、隣接する惑星スポウルで知性を持つ植物〈入道雲〉の群を発見した。思いがけないファースト・コンタクトに全ソリテア星系は沸きかえり、ベネダーたちは読心能力を駆使してこの生物との対話に取り組むことになる。やがて〈入道雲〉はソリテア星系を包む〈雲〉にまつわる恐るべき秘密を語りはじめるのだった…。冒険SFの第一人者が新境地を拓く本格宇宙SF。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
12
宇宙の謎なるものも深淵であるが、言い換えれば、地球の深海、もしくは脳の仕組みなど、謎めいた現象はいくらでもある。人間は科学の進歩のおかげで、ありとあらゆることを手にすることができる、すべては人間のためにあるのだとか空恐ろしい考えを抱くにいたった。それが科学の進歩というものか。 科学フィクションは、あらゆる可能性を想定して成り立つもの。読み物としてはおもしろいが荒唐無稽にすぎないと見なす向きもありそうだ。しかしながら、あの孫悟空とお釈迦様の掌のエピソードはくんでもつきない味がありそう。2023/11/14