内容説明
売れない純文学作家フレッドは一念発起、アメリカの土を踏んだ。ところがどう道をはずれたか、畑ちがいのコンピュータ会社に就職し、プログラマーにされてしまった。右も左もわからぬフレッドが命じられたのは、軍のためのAIロボット開発プロジェクト。かくて文科系人間フレッドは、人間も人工知能も右往左往する悪夢の悲喜劇に巻きこまれてゆく…。SF最後の鬼才スラデックがギャグと毒を満載して贈る抱腹絶倒の怪作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
60
希望を求めてアメリカに来てみれば、言われのない理不尽が売れない作家フレッド(内容、著作不明)を襲う!! ギャグと毒を満載して贈る抱腹絶倒の怪作とあるが、抱腹絶倒かと言われると盛大疑問。毒には盛大納得。結構現地の作品やパロっぽいのあるし(タイトル自体パロだし)、多分現地民だったらより楽しめたのかなぁ、わたし・・・。2022/03/15
酔花
3
ここ笑うところなんだろうなと思いながら読んだ。訳者の問題でもなく原作者の問題でもなく、感性の違いなんだろうたぶん。遊星よりの物体Xから名前だけパロったのかと思っていたら、最後に明かされる唐突な真実に乾いた笑いが出た。タイプとしてはヴォネガットに近いから、波長が合えば楽しそうなんだけどなぁ。2013/05/22
はにまる
1
スラデックの長編は初めて読んだが、短編より好きかも。2017/04/13
くじらい
1
ひょっとして大傑作なのでは。筒井康隆の「新宿コンフィデンシャル」を思い起こさせる。2016/11/17
yunomi
1
結局、スラデックの小説は日本では全くウケなかった訳だが、これは翻訳者や出版社が、スラデックを抱腹絶倒のギャグ作家として売り出したのが失敗だった気がする。むしろ、スラデックの本質はその生真面目さにあって、本作のブラックユーモアは、イギリスの小説である「フランケンシュタイン」の舞台を現代のアメリカへ変更する為に、必然的にアメリカ社会に対する批判的な眼差しを持たざるを得なかった結果ではないか。その辺をアピールして売り込めば、結構な人が騙されたんじゃないかと。2014/01/05