内容説明
闇夜を切り裂く銃火、大地を揺るがす迫撃砲の轟音、そして傷病兵の悲鳴…。従軍看護婦キティが見たベトナム戦争は、まさにこの世の地獄だった。だが、高齢のベトナム人患者からふしぎな護符を譲られたことで、彼女の運命は一変した。その護符の力で、キティは名実ともに“癒す者”となったのである。気鋭の女流作家が、みずからの体験をもとに魔術的な筆致でベトナム戦争を描き、全米に衝撃を与えたネビュラ賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoshiyuki Kobuna
3
ハヤカワ文庫NVとSFの境界にあるような作品。五感すべてに訴えてくる描写に咽せ返る印象。2015/04/17
両
2
これ、ネビュラ賞を受賞した作品なんですよね。でも、SF とは言いがたい。この作品がネビュラ賞を受賞したということが、当時のアメリカの状況を示していると思う。2012/05/06
果てなき冒険たまこ
1
同じ戦争でも飛行機で爆弾を落とされて敵の姿を認識できなかった太平洋戦争時の日本と、アメリカ兵がベトコンとすぐ近くで戦っているベトナム戦争とでは戦闘の質的なものが根本から違うのだろう。 (当然どちらも悲惨なことは変わらないが) 結果的に負けてしまった米国にとってのベトナム戦争はトラウマしか残していかなかったのではないかとも思えてしまう。 ファンタジーとして挿入された他人のオーラが視覚化される能力が何も解決できなかったところにその深さを感じてしまったのは穿ち過ぎなんだろうか。2022/01/17
ハヤブサの竜
1
今まで読んだ戦争を扱った作品のなかでも跳びぬけている2014/04/23
レンズマン
1
これをSFというのはどうも抵抗あるなあ。ファンタジーか戦記ものでいいんじぇねえ?2010/04/12