ハヤカワ文庫<br> 老いたる霊長類の星への賛歌

ハヤカワ文庫
老いたる霊長類の星への賛歌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 465p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150108267
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

理想の植民星を発見した探査船ケンタウルス号。だが、その唯一の帰還者で、異星生物を持ち帰った女性生物学者の報告が明かす恐るべき真実とは?…性心理を探求する「一瞬のいのちの味わい」、太陽フレアにまきこまれ、NASAとの接触を失ったサンバード号の乗務員が見た未来の地球の異様な姿を通して、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞の栄冠に輝く「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」など、つねにSF界に衝撃を与えつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた傑作中短篇7篇をここに結集!

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

42
 本短編集は当初女性であることを隠していたジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの正体が明かされた頃の作品を集めている。元来性別が作品に影響することなどなく、作品はあくまで作家の個性が滲み出てくるものだ。にも拘わらず私達は無意識に女性作家には“女性”とつけ、何らかの共通点を見出したがる。それがいかに愚かな決めつけかということをアーシュラ・ル・グウィンが序文で述べている。宇宙船や乗組員自体が“ある物”をイメージしていて性の匂いがぷんぷん「一瞬のいのちの味わいA Momentary Taste of Being」2020/06/24

おおた

18
10年以上前に読んでさっぱりわからなかったが、読書経験値が上がったのか、「ヒューストン〜」も「汝が半数染色体の心」もするすると読めた。特に「ヒューストン〜」は混信する電波の入り方が読者にはわかりにくいけれども、それが宇宙船の男性3人の戸惑いにつながるように書かれていて、小説としての巧さを実感。「汝が〜」は苔感があってすばらしい。ティプトリーは品切れにしてはいけない作家の一人(FTの長篇は除く)。ル・グィンの序文も必読。2015/09/09

bowmorelover

16
ティプトリーと作品で初めて読んだのは「接続された女」だった。その時はどうも読みづらくあまりしっくりこなかったが、今回の短編集は楽しめた。ティプトリーのテーマである「性」とフェミニズムが強く感じられた。ネビュラ・ヒューゴ賞を取った「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」は多分初めて読むジェンダーSF。新鮮。どの短編も男性がひどい。2012/04/01

ふりや

15
さすがティプトリー!と思わず唸りたくなるようなクオリティの作品集。SF的なアイデアと、それを表現する小説家としての超絶技巧がとてつもなく高いレベルで融合した7つの作品。明快なエンタメではないですが、読み進めるほどにじわじわとその凄さが理解できてきます。自分が特に印象に残ったのは「人類より上位の知的存在」と人類の行く末をティプトリー流に描いた『一瞬のいのちの味わい』地球帰還を目指す宇宙船の数奇な運命を描いた『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?』の2篇。ル・グィンによる序文も読みどころのひとつです。2022/03/21

鐵太郎

15
アリス・シェルドンが、ジェイムズ・ティプトリーの名前でSFを書いていたとき、アリスがしたかったのは、作家のペルソナとしてのティプトリーになることではなかった、と言われます。彼女は、現実の上に仮想の現実を、つまり大いなる趣味の世界でティプトリーという作家の人格を造り、そのパーソナリティが成長していくことを、最初は夢見て、そしてそれが実現したことを見て楽しんでいたのではないか、と。なんか、いいなあ。 ──ル・グィンが書いた序文は、こんな言葉でしめくくられます ここには、本物の物語がおさめられています。2005/05/07

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